今回ご紹介するのは「 僕は君たちに武器を配りたい 」です。
著者の瀧本哲史氏(47才)は、今年8月に都内の病院で逝去されていたことが報じられました。「授業もよかった」という学生の声も多く、これからの日本に必要なこと、学ぶべきことを学生にもっと時間を費やして欲しかったですね。ご冥福をお祈りいたします。
京都・奈良に関連していない本の紹介にも見えますが、実は著者の瀧本哲史(たきもと・てつふみ)氏は京都大学の客員准教授だった方で、これから社会で生きていく人たち、特にこれから就業する学生にも読んでもらいたい一冊なので取り上げてみました。
瀧本氏は東京大学法学部卒業。
東大法学部の優秀な学生は、在学中より教授や準教授から大学に残るよう声がかかり、博士課程を飛ばして助手として研究室に入る人が多いそうです。瀧本氏も学部卒業と同時にわずか1~2%と言われる最難関の助手として採用され、超エリートコースを歩みます。
助手の任期終了後は学界に残らず、コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」に入社。亡くなる前には、エンジェル投資家をしながら京都大学の客員准教授を務めていました。
「僕は君たちに武器を配りたい」は、瀧本氏が様々な経験を通して世の中の動きをみて感じたことを、これから社会に出る若者向けに書かれています。
これから生きていくために何を学び、どう取り組んでいけばよいのか。
この本を読むことで世に出る前に知っておくと便利な ” 武器 ” を装備し、社会に出ることができる内容となっています。
すでに社会人として働いている方には、いまの姿勢を見直してみるきっかけにもなりそうです。
第8章に
「 日経新聞を信じるな! 」
という見出しがあります。
これは日本経済新聞だけを言っているのではありません。メディアの情報をそのまま鵜呑みにするなということが書かれています。
私もそう感じています。
メディアを使って偽りの情報、勘違いをしてしまうような情報を流し、多くの投資家をある方向に動かして莫大な利益を得る人がいます。また話題になると困る情報を目立たなくする ” スピン報道 ” という手法もあります。
今後はますますその傾向が強まっていきそうですね。
夢や希望を持ちながら社会に出ることは大事なことですが、日本社会で生きていくために表に見えてこない ”からくり” を学んでおくと、盾となって自身を守ってくれるかもしれません。
これから社会に出る息子さんや娘さんにプレゼントしてみるのもいいですね。社会に出る前にぜひ読んでおきたいおすすめの一冊です。
【本のタイトル】僕は君たちに武器を配りたい
【著者】瀧本 哲史
【出版社】講談社文庫
【Amazon】僕は君たちに武器を配りたい
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