ベルボン(Velbon)やスリック(SLIK)など国内を代表する三脚メーカーやマンフロット(Manfrotto)、ジッツオ(GITZO)などに比べるとブランド力が劣ってしまう中国メーカー。
高価なカメラ機材を乗せるわけですから値段が安いだけでは心配になりますよね。
そこで今回は「SIRUI P-326」を実際に購入して使ってみることにしました。
もくじ
SIRUIのカーボン一脚「 P-326 」のスペック
それでは、まずSIRUIのカーボン一脚「P-306」のスペックを見てみましょう。
SIRUI P-326 のスペック | |
---|---|
材質 | カーボン |
パイプ段数 | 6段 |
脚ロック方式 | ナット方式 |
最大高 | 154cm |
最低高 | 38cm |
耐荷重 | 10kg |
商品重量 | 400g |
最大/最小パイプ径 | 3.2cm/1.6cm |
重さが400g、縮めれば38cm。
軽くて小さくなるというのは大きな魅力です。
中国メーカー SIRUI(シルイ)について
以前は中国メーカーと言えば、
「安いけど、不良品が多い」
「すぐ壊れる」
というレビューが多く見受けられましたが、最近は品質の良い製品が増えてきましたね。
まだ評価が厳しく購入をためらってしまう製品もありますが、商品デザインが優れたもの、ちょっとした工夫やこだわりが感じられるモノが目に留まります。
カメラアクセサリーの他にも、ドローン(世界1位)、スマートスピーカー(世界1位)、スマホ、パソコン(レノボ)、オーディオアクセサリー、LEDライト(懐中電灯)などその幅は広がりを見せ、国内でも人気の商品となっています。
人口が14億人を超えてますので、中国でナンバーワンシェアを取れば世界1~3位になることも多いのですが、良い製品は国内外で評価されています。2000年前後に世界中の大手企業が中国にて製品を製造、それらのノウハウが蓄積されてきた結果と言えるかもしれませんね。
今回紹介する「SIRUI(シルイ)」は2001年に創業した中国のカメラ機器メーカーで、主に三脚を製造・販売している会社です。創業当初は、世界の大手三脚・雲台メーカーから製造、加工を請け負っていましたが、2006年より自社ブランドを起ち上げて、アジア・欧米各国に販売網を広げてきました。
カーボンとアルミどちらにする? 一脚 SIRUI P-326
SIRUIの一脚は「カーボン」と「アルミ」が用意されています。
※製造番号は消してあります。
「SIRUI P-326」の「カーボン」と「アルミ」の違い
「SIRUI P-326」の「カーボン」と「アルミ」の違いは「最大搭載荷重」「重さ」「価格」の3点。パイプ径、最大高などは全て同じです。
P-326(カーボン) | P-326(アルミ) | |
---|---|---|
材質 | カーボン | アルミ |
最大搭載荷重 | 10kg | 8kg |
重さ | 400g | 500g |
価格 ※2022年5月現在 | 7,773円 | 4,982円 |
その他サイズなど | 上記スペック表参照 | カーボンと同じ |
最大搭載荷重(耐荷重)は「カーボン」が10kg、「アルミ」が8kgでその差は 2kg。旅行などで使うカメラ機材セット(カメラボディ・標準レンズ・望遠レンズ)であれば、どちらを選択しても問題ありません。
最大搭載荷重(耐荷重)というのは、三脚あるいは一脚が支えられる機材重量の上限を表しています。上限いっぱいで考えるのではなく、お手持ちの「カメラ + レンズ」重量の2~3倍の耐荷重があると良いと言われています。
キヤノンのカメラボディとレンズを例に見てみましょう。
人気のミラーレスカメラ「Eos R5ボディ」と望遠レンズ「RF70-200mm/F2.8L IS USM」の組み合わせの総重量が 1,720g 。多くのユーザーがカメラボディに標準ズームレンズで撮影を楽しまれていると思いますので、最大積載荷重(耐荷重)は気にしなくても大丈夫です。
↓ ↓ ↓ 重さが3.62kgある重たいレンズとカメラボディの組み合わせでも約4.5kgです。
カメラボディ + レンズ | 重さ(総重量) |
---|---|
キヤノンEos R5 ボディ(650g) + RF70-200mm/F2.8L IS USM(1070g) | 1,720g |
キヤノンEos 5D Mark Ⅳ(800g) + EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×(3,620g) | 4,420g |
↑ これが「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」。重さ約3.6kgのレンズです。
実際にEOS 5D Mark Ⅳ と標準レンズ、望遠レンズのセットで一脚に装着してみましたが、脚ロックの緩みや剛性に不安を感じることはなかったです♪
それでは次に一脚の重さを見てみましょう。
大きな三脚ほどカーボンとアルミの重さに差が出てきますが、一脚「P-326」は、カーボン製が400g、アルミ製が 500gで、わずか100g の違いとなっています。
100gは身近なモノだと タマゴ2個 or みかん1個 と同じくらいの重さなので、ほとんど気にならないと思います。
三脚 ①アウトドアで使う場合 ②自宅やオフィスで撮影する場合 | ①軽いカーボン製 ②リーズナブルなアルミ製 |
一脚 | 重量がそれほど変わらないので「カーボン」「アルミ」お好みで! |
三脚はアウトドアで使うならカーボン、YouTube動画撮影など自宅やオフィスがメインであれば、リーズナブルなアルミ三脚がオススメです。
一脚の場合、「カーボン」も「アルミ」も重さが大きく変わらないですから、どちらでも良いと思います。予算やデザインなど考慮しながら、自分に合ったものを選んでみてくださいね。
登山やハイキングでたくさん歩かれる方は少しでも軽いカーボンにしておいた方が後悔しないと思います。
山登りでストック(杖)としても使える「 SIRUI P-326 」
「SIRUI P-326」の頭の部分にはハンドストラップとコンパス(方位磁石)が付属しています。
が、
昨今はスマホのコンパスアプリもありますし、山に行かれる方はマップ用コンパスやデジタル式コンパスなど高精度のコンパスをお持ちだと思いますので、これは無しでも良かったような・・・。
SIRUIの一脚「P-326」はストック(杖)として使うこともできますので、山登りやハイキングをする方たちにも人気です。
一脚を使用するほとんどの場面はゴム脚(上写真左側)で十分ですが、土や岩場、滑りやすい場所では石突(上写真右側)を出して利用するとしっかりグリップしてくれます。
※石突はゴム部分を回転させると出すことができます。
一脚の先端部分を「ゴム脚」または「石突(スパイク)」に交換できる一脚も販売されていますが、この「SIRUI P-326」は交換できないモデルです。石突を引っ込めている状態のときは、その穴に土などが入ってしまうことがありますが、再度、石突を出すことで穴の中に詰まった土をかき出すことができますのでお試しください。
山登りやハイキングでストックとして利用される場合は、手元にキーホルダー等があるとバタバタ動いて不便なので、コンパス(方位磁石)は取り外してカバンなどに取り付けるか、おうちでお留守番にした方が良いかもです!?(^^;)
\ コンパス付のプロトレック♪ /
方位、高度・気圧、温度の計測可能のトリプルセンサー付きのカシオ プロトレック クライマーライン 電波ソーラー PRW-30-1AJF
カメラを固定するネジは、一般的なカメラの三脚ネジ「1/4インチ」と大きな機材用の「3/8インチ」のネジが使えるようにヘッドの部分を回転させるとネジが取り外せるようになっています。
\ デジタルコンパス /
持ち運ぶときはカメラと一脚ネジの緩みに注意!!!
三脚は肩に担いで移動することがほとんどですが、一脚の場合、肩に担ぐことケースは少ないと思いますので、しっかりハンドストラップを腕に巻いて歩くようにしましょう。
カメラを付けたまま移動するとき、特に注意したいのが、ネジの緩みです。
↑ 上写真は極端な例になりますが、一脚のロゴ部分に注目してください。
ロゴはどちらも親指の下にあります。右側の写真はレンズの重みでネジが緩み、ご覧の通りレンズが下を向いてしまっています。
カメラボディと一脚のネジは強めに締めておきましたが、歩いていると何かのはずみで上図のように緩むことが考えられます。これはどのメーカーの一脚でも同じことが言えますので、注意が必要です。
最悪、カメラボディとレンズが落下してしまう恐れがありますので、時々歩きながら確認をするか、長い時間撮影をしないときは、面倒でもカメラを一脚から外して持ち運びをした方が良いかもしれません。
一脚の全高(長さ)は何cmがいいか
SIRUIの一脚は全高154cm、160cm、175cm、最大で200cmまで幅広く用意されています。三脚や一脚を購入するときは、カメラのファインダーや液晶モニターを確認する際、視線を下げるくらいの高さを選びます。もちろん脚はすべて伸ばした状態です。
ですので、
身長170cm前後の方で、普通に風景撮影を楽しむのであれば全高154cmがおすすめです。この全高154cmの一脚の上にお手持ちのカメラを乗せることになりますので、カメラのファインダーや液晶モニターの位置が160cm前後になります。
「全高175cmの長く伸ばせるものを買っておけば、応用がきくのでは?」
たしかに撮影時に脚を短く調整すれば良いわけですから、長い一脚を購入しておいた方がお得な感じですよね。。。
以前に、全高175cm前後の三脚を購入した使用していた時期があります。毎回長さの調整をしながら撮影をしていたのですが、本当に面倒でした。
購入した三脚に慣れてきても脚を伸ばせば少し長くなったり、急いでいると短くなってしまうこともありました。その都度、ナットを緩めて調整し直しです。
購入する前は、この程度の微調整なら大丈夫と思っていましたが、次第に使わなくなりました。
仕事で高さを必要とするカメラマンは別として、撮影するポジションが自身の身長より高い場所になることはほとんどありませんので、一般の方であれば154cmまたは160cmがベストチョイスです。
雲台があるとさらに便利!
脚1本でも十分使えるのですが、カメラを前後左右に動かしたいときに便利です。
雲台を購入するのは、実際に一脚を使ってみて「不便だなぁ」と感じてからで遅くはありません。まずは一脚を使って撮影を楽しんでくださいね。
【メーカー】Velbon(ベルボン)
【型番】QHD-43
【種類】小型自由雲台
【全高】78mm
【カメラ台寸法】54×29mm
【本体質量】160g
【推奨積載質量】3kg
【価格】Amazonでチェックしてみる
【メーカー】SLIK(スリック)
【型番】SBH-200
【種類】自由雲台
【全高】87mm
【カメラ台寸法】48×48mm
【本体質量】350g
【推奨積載質量】3kg
【価格】Amazonでチェックしてみる
【メーカー】Velbon(ベルボン)
【型番】QHD-S6AS
【種類】自由雲台
【全高】104mm
【カメラ台寸法】51×44mm
【本体質量】352g
【推奨積載質量】5kg
【価格】Amazonでチェックしてみる
日中、三脚を使っている人にぜひ試してもらいたい「SIRUIカーボン製の P-326」。
高価なカーボン製の一脚は、国内メーカー 20,000円~、ジッツオ 35,000円~と高価な製品ですが、「SIRUI P-326」であれば 7,933円(2022年6月現在)と10,000円でおつりが出る価格で購入できます。
国内外の三脚・一脚メーカーと比べるとブランド力は劣ってしまいますが、後発メーカーの強みが感じられるカーボン一脚です。脚ロックの緩みもなく、丈夫で軽くコストパフォーマンスが高いのでオススメです。
特に日中、三脚を使って丁寧に撮影されてた方には、ぜひ試してもらいたいですね。三脚を使ってきた人であれば、脚が3本から1本になってもシャッタースピードの調整などでキレイに撮ることができるはずです。
総重量が軽くなりますので、足取りも軽やかに街や自然散策も楽しく恩恵は大きいです。一脚をお探しの方はぜひご検討ください♪
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