【おすすめ本】日本の古代史 飛鳥の謎を旅する 宝島社 レビュー

奈良・飛鳥を旅するなら、宝島社より出版されている「日本の古代史 飛鳥の謎を旅する (別冊宝島)」 がおすすめ!

ここ数日、国会で「決裁文書改ざん問題」が取り上げられていますね。

実は権力者が、自分に都合の悪い文書を書き換えることは「日本書記」でも行われていたようです。たしかに圧倒的な力を要していた権力者の側近によって編纂された歴史書であれば、その可能性は十分に考えられます。

飛鳥の地で天皇家の外戚(がいせき)として、大きな権力を持っていた蘇我氏のその力は敵対する豪族だけでなく、恐い者知らずの盗賊でさえも恐れさせ、恐怖のあまり盗人は蘇我氏の落とし物は拾わなかったとも記されています。

そんな蘇我一族の権威をよく思わない人がいたことは容易に想像ができます。会社にも人様の出世をねたむ人は沢山いますからね。

中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)も蘇我氏のふるまいをこころよく思っていませんでした。二人は談山神社にて蘇我入鹿暗殺の密談を重ねます。

そして準備が整うと、飛鳥板蓋宮大極殿(あすかいたぶきのみやだいごくでん)にて周囲に聞こえるよう「入鹿は、王家を乗っ取ろうとしている」と叫びながら、蘇我入鹿の首をはねてしまいました。

蘇我入鹿を暗殺した場面というのは、多武峰縁起絵巻(とうのみねえんぎえまき)に描かれており、談山神社に所蔵されています。

「日本書記」改ざんの可能性の指摘は、中臣鎌足の子・藤原不比等(ふじわらのふひと)が編纂の責任者として関わっていることも理由のひとつです。

当然、忖度(そんたく)をしますので、父が蘇我入鹿を殺害したとは明記しないはずです。まずは蘇我氏の業績を消し、不比等の父・中臣鎌足を古代史の英雄に仕立て上げるための編集を行っていたことが考えられます。

当時は、陰謀を駆使してライバル、政敵を押しのけて実権を握るのが当たり前の時代。

「いまの社会に陰謀なんてないでしょー」

というコメントも聞いたことがあります。権力というものから遠い世界で生きているのであれば間違いではないように思います。すべての会社・社会に陰謀があるわけではありませんが、権力の中枢に行けばいくほど、様々な動きがあるのも事実です。

もしかしたら”陰謀”という言葉が、拒絶反応を示してしまうのかもしれませんね。

策略、企み、作戦・・・だと少しやわらかくなりますかね?(苦笑)

日本書紀からは蘇我氏の業績は消されてしまったものの、飛鳥には蘇我馬子が創建した「飛鳥寺」や、蘇我馬子の墓と伝わる石舞台古墳などが残されています。

飛鳥に眠る古代史の謎、飛鳥の悲しい歴史を知るにも、ぜひ「日本の古代史 飛鳥の謎を旅する (別冊宝島)」をお手にとってお楽しみください!

地図や「おすすめウォーキングルート」なども豊富に掲載されていますので、リュックに入れて持ち運ぶにも便利な一冊です!
 
 

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