京都市南区九条町にある東寺は、1994年「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されました。
東寺は、唯一残る平安京の遺構で、創建からなんと約1200年にもなります。
桓武天皇のあとに即位した嵯峨天皇は、唐で密教を学んで帰国した空海に東寺の造営を託しました。この時から東寺は鎮護(ちんご)国家の寺院となり、真言密教の根本道場となりました。
※鎮護国家・・・政府が仏教を利用して内政の安定を図ろうとした政策
東寺 西門
東寺の西門。
自転車等の乗り入れが多かったのでしょうね。鉄柵が設置されていました。
仏教がインドから中国に伝わり、代々大切に保管されてきたものに仏舎利(釈迦の遺骨のこと)があります。
空海も唐から帰国する際、師である恵果(けいか)から授かり持ち帰りました。それらは五重塔や仏像の頭部に納められ、厳重に保管されてきました。
東寺では仏像を製作する際、仏舎利を納入することが受け継がれてきましたが、初代の大日如来像には仏舎利は無いと伝えられていました。
ただ後から製作された仏像に仏舎利が納入されており、大日如来像にも仏舎利は納入されたのでは・・・という推察がされていました。
謎を解くべくX線写真で確認をした結果、額(ひたい)に筒状の金属容器が写し出され、製作当時に納められていたことがわかりました。
密教において最高仏として位置づけられている大日如来に、魂とも言える仏舎利を納入していないと伝えていたことに何か意味があったのでしょうかね。
というのも、
当時、仏舎利は甲壺と乙壺という二つの壺にわけられ「勅封(ちょくふう)」と「教封(きょうふう)」が守られてきました。
勅封(ちょくふう)は、天皇もしくは勅使が封をし、天皇、勅使以外に開けることは許されないもの。教封は東寺長者が封をしたもので、東寺長者以外は開けることができません。
しかし時代の流れと共に仏舎利の使われ方も姿を変え、貴重な贈り物にもなりました。
室町時代には、足利義満が東寺を訪れた際、勅封の壺を開け、仏舎利を持ち帰ったとの記録もあるそうです。
勅封の仏舎利を持ち帰ったのは、あとにもさきにも義光だけとのこと。
上記のような理由から、最高仏とされる大日如来に納められた仏舎利が持ち出されることのないよう「初代の大日如来像には仏舎利が納められていない」という伝聞を意図的に流布していたのかもしれません。
食堂では「陶器の絵画展」開催中。
初めて陶彩画というものをみましたが、素晴らしかったです。
食堂(じきどう)前のおみくじ箱。
黒い筒からくじ棒を出して、棒に書かれた数字の紙を棚から取り出します
東寺 講堂
東寺の中心に位置する講堂。
緑がきれいでした。
東寺境内の南にある修行大師像。
学業成就や成績向上のご利益を願う参詣者も多いようです。
東寺 南大門
東寺の正門となる南大門(みなみだいもん)。
幅18m、高さ13mもある立派な門。
看板「魚や生物などをとったりしないでください」。
んっ!?サギが魚を狙ってる(笑)
西寺跡地に向かう途中に目印が埋め込まれていました。
唐橋西寺公園 西寺跡
西寺跡のある唐橋西寺公園に到着。
ここに東寺と同規模の西寺があったのですね。
西寺石碑と疎石が残されていました。
地元でも有名なおはぎ屋「巴屋」。
水・木定休で売切れたら終わり。
1つでも売ってくれました。
甘さ控えめで美味しいかったです♪
【訪問地】 東寺
【所在地】京都市南区東寺東門前町
【公式HPアドレス】 https://toji.or.jp/
【拝観料】 無料
【駐車場】 近隣に有料駐車場有り
【アクセス】
JR JR京都駅より徒歩15分
近鉄 近鉄東寺駅