今回ご紹介する本は「 日本人なら知っておきたい神道 (しんとう)」です。
史実は、捉え方によって異なる見解が示されることもあり、それはそれで興味深く読者も多いように感じます。反面、歴史と深く関係している宗教書の類は読む前から難しく感じてしまう方もいるのでは・・・。(私もです。。(;^_^A)
古本屋で何気なく手に取った「日本人なら知っておきたい神道」は、宗教や神道をこれから知ろうとする人には、たいへんわかりやすい内容でオススメできる一冊となっています。
よく日本人は無宗教の人が多いと言われますが、自然を崇拝する農業主体の時代を経て、仏教が入ってくる前から存在していた「神道(古神道)」。実は日本人のものの考え方や生活の中にごく自然に根づいているのかも・・・と考えさせられる良い機会となりました。
新年を迎えて ” 初詣 ” に行かれる方も多いですよね。
地元の神社で「昨年の感謝を捧げて、今年一年の無事を祈願する」「いい人と巡り合えますように」「志望大学に合格しますように」、これらも神道です。
「神道(しんとう)」というのは
” すべてのものに神が宿る ”
と考える教えで、キリスト教やイスラム教のように教祖や創始者が存在しません。そのため、時の権力者に政治利用されることもありました。
敗戦後は、アメリカによって政教分離の原則が打ち立てられ、国家神道は解体、宗教が国家権力を利用することも法律によって禁止されました。
思い返すと、義務教育課程で歴史ある「神道」を勉強する機会はなかったように思いますが、上記理由からいろいろと難しいのですかね。
ちなみに神道と国家神道は異なるものとなりますが、ここでは説明を省きます。
本著を読み進めていくと「なるほど!」と思える箇所がいくつもあり勉強になりました。
たとえば
お寺さんの近所を歩いていて、古民家の玄関に飾られた小さな注連縄(しめなわ)に「何のため?」と思ったことはありませんか?
それに対する回答はありませんでしたが、神社に張られた注連縄(しめなわ)に関する記述がありました。
古代には、自分の農地のまわりに縄を張りめぐらせて他者の侵入を禁じるしきたりがありました。これにならって神域にも「ここにむやみに近づいてはならない」と人々に告げる縄を張るようになったとありました。
農地への「他社の侵入を禁じる」しきたりが、神域だけでなく、民家にも広がっていったのかなぁと少しスッキリしました。
この他にも、鳥居の種類や参拝方法などもたいへん興味深く読むことができました。
” すべてのものに神が宿る ”
これはある意味「すべての物に感謝する」という心持ちですね。
物にあふれた時代、当たりまえにある衣食住にも ” 感謝の気持ち ” を忘れずに生きていければいいですね。。。これがまた難しい。(笑)
読みやすいので、おすすめです。
【本のタイトル】日本人なら知っておきたい神道
【著者】武満 誠
【出版社】河出書房新社
【Amazon】日本人なら知っておきたい神道
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