海龍王寺(かいりゅうおうじ)から古墳めぐり、平城宮跡を周ってきました。奈良市法華寺北町にある海龍王寺は、真言律宗の寺院で本尊は十一面観音です。
サルスベリ(百日紅)の花が咲く海龍王寺は、かつては藤原不比等の邸宅でした。不比等の死後、邸宅は娘の光明皇后が相続し皇后宮となりました。
この日は訪れる人も少なくゆっくりと拝観できました。先代住職が彫ったご本尊(木像)も見事でした。
海龍王寺
七段ある階段を登り、山門をくぐります。
今も残る築地塀は、コンクリよりも固くなるそうです。
海龍王絵馬。
寺内にて小さいサイズが購入できます。
玉砂利の敷き詰められた雰囲気のある参道。
人も少なく、落ち着いてお寺に向かうことができます。
右手が本堂で、左手にあるのが西金堂。建材の一部は奈良時代の木材が残されています。
西金堂内部に安置されている国宝の五重小塔。
東金堂跡。
西金堂と向かい合う形で建っていたそうですが、明治時代の廃仏毀釈の影響で跡を残すのみとなっています。
それでは平城宮跡に向かってみましょう。
平城宮跡の駐車場、トイレ
平城宮跡遺構展示館の横にある駐車場に停めて散策してみたいと思います。写真はトイレです。 コンビニなども少ないので、トイレの場所は確認しておいた方がいいですよ~。
トイレ横の看板にお散歩コースの案内がありました。
古墳、平城宮跡コースなどの3つ。
コナベ古墳、ウワナベ古墳
古墳コースを歩いてみます。
お昼を軽く済ませ、古墳周辺を歩いていると「コナベ古墳」までの道を尋ねられました。ポルトガルで考古学を学ぶお二人で一人は日本人でしたが、ポルトガル語、英語、ドイツ語を操る方達でビックリ。
当時のポルトガルの影響力を考えると、何か興味深い情報もありそうですよね。ちなみに古墳の一番多い県の順番は兵庫、千葉、鳥取、福岡、京都、奈良。
写真の柵を右側に歩いていきます。
コナベ古墳に到着。
コナベ古墳の被葬者は明らかになっていませんが、被葬候補者として第16代仁徳天皇皇后の陵墓参考地として治定(じじょう)されています。
一部発掘調査などが行われていて、円筒埴輪列や三角板革綴短甲の破片や鉄鏃(てつぞく) が出土しています。
※治定(じじょう)・・・決定すること。落ち着くこと。
※鉄鏃(てつぞく)・・・鉄製の鏃(やじり)。
墳丘の長さは204mもあり、全国でも31位の大型の前方後円墳です。 上空から見てみたいですね。
右手に見えるのは航空自衛隊幹部を養成する航空自衛隊幹部候補生学校。
ウワナベ古墳
ウワナベ古墳。
形状はきれいなカギ型の前方後円墳です。全長255m、前方部幅129.5m、後円部径128mとなっています。
大きな墳墓ですね。
ウワナベ古墳もコナベ古墳、どちらも全長200mを超える大きさで南方に向けて東西に並んで立地するところから、被葬者のあいだに密接な関係があると考えられています。
コナベ古墳を左手に歩いていくと、右に曲がる道があります。
仁徳天皇の皇后、磐之媛の墳墓(磐之媛命陵)があります。
平城天皇を埋葬したとされる市庭古墳。
平城宮跡 世界遺産
その後、平城宮跡に向かいました。
これだけの空間をよく残してくれました。
現在、大極殿は復原整備がされていますが、これから20年位かかるそうです。。
ここら辺の土地は田んぼとして利用されていましたが、もし跡地に人が住んでいたら現在の姿を望むことはできなかったかもしれませんね。
新しい建物がありましたので、中に入ってみましょう。
第一次大極殿院 復原事業情報館
第一次大極殿院 復原事業情報館。平城宮跡の歴史、今後の復原工事のお話をしてくれます。
約20年後に上の様になるそうです。
ボランティアスタッフさんのお話も興味深く楽しいですよ!
おすすめ。
築地塀を作る時の道具。
コンクリートよりも固くなるというから、びっくりですね。
いまも周辺では発掘調査が続けられていますが、学んできた歴史がひっくり返るような資料も見つかっているとのこと。
たいへん興味深いお話でした。
果たして日の目を見ることはできるのでしょうか!?
【訪問地】海龍王寺(かいりゅうおうじ)
【所在地】奈良市法華寺北町897
【電話】0742-33-5765
【拝観時間】9:00~16:30(要確認)
【拝観料】大人500円、中高生200円、小学生100円
【駐車場】
【アクセス】車ナビに「海龍王寺」または電話番号をご入力ください
・近鉄新大宮駅より徒歩約15分