奈良市内の北側に位置する円成寺。
紅葉の早いお寺としても知られ、既に色づき始めている葉もありました。
平安時代から鎌倉時代にかけて造られた浄土式庭園。
寺院建築物の前に池が広がる形式をとっていて、極楽浄土の世界を表しています。極楽浄土には、阿弥陀仏が住んでいるとされ、この世は苦しい世界とされています。
昨今は楽しさばかりを追求するあまり「この世の苦しい世界」から逃避してしまいがちですが、訪れたお寺の庭に癒され、意味を知ること、伝えていくことも大切なのかもしれませんね。
円成寺・浄土式庭園付近では ” キンモクセイ ” のとてもいい香りが漂っていました。お庭の前で静かに心を落ち着かせ、眺めているだけでも幸せな気持ちになれますね。
重要文化財の楼門と多宝塔。
以前は多宝塔内に運慶作の大日如来坐像(国宝)が安置されていましたが、今は受付隣にできた建物内にて観ることができます。
境内には萩の花もきれいに咲いていました。
空に浮かぶ雲が流れ、雲を透過して届く光に萩の花が優しく輝きます。
円城寺から車10分くらいの所にある光仁(こうにん)天皇陵。
美しい田園風景の拡がる田原エリアの一角にある陵墓です。光仁天皇は60歳を過ぎてから即位した当時では珍しい経歴の方で、奈良時代最後の天皇となります。
最後に猿沢池に寄ってみました。
翌日の采女祭(うねめまつり)のリハーサルが行われていて、池に映る提灯の光が美しく輝いていました。写真の管絃船(かんげんふね)に乗った語り手の美しい声が奈良まちに響きわたり、聞き入ってしまいました。
来年は采女祭の「花扇奉納神事」のうた語りが行われる時間帯に訪れてみようと思います。
【撮影日】 2018年9月23日(日)
【訪問地】円成寺 奈良市忍辱山町1273
【拝観料】 大人400円、中高生300円、小学生100円
【拝観時間】9:00am~17:00
【駐車場】 無料駐車場あり
【アクセス】JR・近鉄奈良駅から柳生、邑地中村、石打行きバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
この記事へのコメントはありません。