Canon PowerShot s110 と PowerShot s120 の比較
最近のコンパクトデジタルカメラ(=コンデジ)は高級なものが増えてきましたね。デジカメ市場も縮小し、販売台数も毎年減少。現在コンデジは、年間販売台数で1億台を超えていた2008年のわずか12%まで減っています。
価格帯を見ても既存ユーザーをターゲットにしている印象で、ますます新規のユーザーが遠のいてしまいそうですが、まだコンパクトデジカメを購入したことのない人は、中古でも十分たのしめますので、ぜひ手に取っていただければと思います。
オークションや個人売買サイトでの購入は、販売者の評価や動作確認の質問をするなど念には念を入れて落札、購入してください。心配な人は中古を扱うショップでの購入をおすすめします。
今回は、中古市場で今でも入手可能な人気コンパクトデジカメを比較してみました。機種はキャノンのPowerShot s110 と PowerShot s120 です。中古市場では、s110が15,000円~、s120が22,000円~とお求めやすい価格になっています。(2018年1月現在)
本体のサイズ、重量は下記の通り。
Canon PowerShot s110 幅98.8 x 高さ59 x 奥26.9 mm 198g(電池含)
Canon PowerShot s120 幅100.2 x 高さ59 x 奥29 mm 217g(電池含)
大きさはほとんど変わりませんが、重さは意識する方がいるかもなぁ・・・というレベル。わずか20gの違いですが、手に持つとわかると言えばわかるし、変わらないと言えば変わらない重さです。(笑)
レンズの焦点距離とF値
Canon PowerShot s110 24mm-120mm/F2-5.9
Canon PowerShot s120 24mm-120mm/F1.8-5.7
どちらの機種も焦点距離は同じで、広角側は嬉しい24mmとなっています。
PowerShot s110 はストラップを通す穴が小さく装着に時間がかかりますが、後継機種PowerShot s120 は、紐を通す穴も大きく、ストレスなく通すことができます。ストラップは両サイドのどちらにも付けられるようになっています。
s120のフラッシュは手動ポップアップ式で、s110はコントロールダイヤルの矢印マークを押して、赤枠内の矢印マークに合わせると格納されているフラッシュが出てきます。
カメラの型番でもある「s110」と「s120」のロゴは、s120は彫り込みになっていて高級感があります。s110は印刷です。
s120のスイッチON・OFFボタンは非常に押しやすくなりました。s110のON・OFFボタンは直径4mmで指先に神経を集中しないといけないほど小さなボタンです。慣れれば大丈夫ですが、操作性も重要なのでs120に軍配が上がります。
液晶横の操作ボタンはs110(写真右上)はボディに対して凹凸がなく、すっきり。s120のボタンは丸みがあり、全体的に柔らかなイメージで押しやすくなりました。
液晶モニターの見え方を写真に記録するのは難しいためコメントのみとなりますが、s110は46.1万ドット、s120は92.2万ドット、かなり見やすくなりました。
両機 絞りF8、ピントは川の先端付近に設定
どちらも同じ条件にて撮影しています。加工ソフトは一切使用しておりませんが、緑地帯を見てみると、s120の方が緑の発色もよく全体的に明るいイメージです。
空もほど良く青色になっています。色味は好みがありますので判断が難しいところですが、個人的な意見として今回の風景写真(被写体)は s120の色合いが良いと思いました。
両機 絞りF5.6 ピントはツバメと巣の辺りに設定
Powershot s110、s120 どちらも光学式の手ブレ補正機構が付いてますので、少し薄暗い地下の駐車場で手持ち撮影をしてみました。シャッタースピードはどちらも1/20秒、両腕をあげての撮影で、手ブレのしやすい状況です。
↓ ↓ ↓ 拡大写真
ツバメも私も動いてますのでシャープさに欠けますが、両機手ブレ補正が効いて十分かなと思います。
せっかくF値の明るいレンズが搭載されていますので、少し暗い所では広角側(24mm)で絞りF1.8(PowerShot s120)またはF2.0 (PowerShot s110)で撮影してみるのも良いかもしれないですね。
※「明るいレンズ」や「暗いレンズ」と言う言葉をよく耳にすることがあると思いますが、明るいレンズというのは暗いレンズに比べて光を多く取り入れることができる設計で、単位はF値(絞り値)で表されます。
絞り(F値)は、人間の目の役割に似ています。人間の目も瞳孔を小さくしたり、大きくすることで取り入れる光の量を調整しています。
たとえば、トンネルを車で走っていて、突然明るい所に出ると一瞬目の前は真っ白になりますよね。暗い道で大きく開いていた瞳孔にたくさんの光が入ってきたことによる現象です。
逆に明るい部屋から暗い部屋に移動すると、光が足りずしばらく何も見えない状態が続くと思います。しばらくすると瞳孔が開いてきて、暗い部屋でもわずかな光でものが見えるようになります。
レンズもこれと同じです。レンズの内部には羽のようなものがあり取り入れる光の量を調整(これがF値)しています。明るいレンズを持つコンデジは、たくさんの光を取り入れることができますので暗い所でも撮影に有利となります。
この辺りは少し難しいお話となりますので、また改めて説明をしたいと思います。
↓ ↓ ↓ これはPowerShot s120 で撮りました。
最近のコンパクトカメラは、HDR(ハイダイナミックレンジ)、ノスタルジック、魚眼風、ジオラマ風、トイカメラ風、背景ぼかし、ソフトフォーカスなど、いろいろな機能が付いていて楽しめます。もちろん設定もカンタンで、ダイヤル回して「ピッポッパッ」です。
※HDR(ハイダイナミックレンジ)は、明暗差の大きい風景の白トビと黒ツブレをおさえることができる機能です。
上の写真は、ジオラマ風で撮影してみました。s110、s120 どちらでも楽しめる機能です。電車がオモチャのように見えてカワイイですね。ジオラマ風撮影のポイントは、少し高い位置から撮影することです。ぜひ挑戦してみてくださいね。
最後になりますが、
メーカーサイトでも謳われていた画像エンジンについてですが、s120は「DIGIC 6」が搭載されています。s110の「DIGIC 5」と比べて高感度の画質が向上し、高速処理にも優れ、連写機能も向上しています。動画撮影は圧倒的にs120が有利となりますので、動画を多く撮影される方は、迷わずs120をお求めください。
新品のコンパクトデジタルカメラの価格は、7万円前後のものも多くなり、少々驚いています。カメラ市場の縮小で数が売れないとなると既存ユーザーを満足させる機能を充実させた高価格帯の商品が増えてしまうのも仕方がないのでしょうかね。。。w( ̄o ̄)w
同じ商品でも車のようにグレードを設定して、30,000円~70,000円の価格設定にするなど少しでも購入の窓口を大きくすることも一案かと思います。日本のメーカーさんには頑張ってもらいたいですね!
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