當麻寺は古代大和の西方に位置し、白鳳・天平様式の大伽藍を有する古刹です。
広い境内に大きな伽藍があり、古代の三重塔が二つ東西一対で残る日本唯一の寺です。
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612年(飛鳥時代)に聖徳太子の弟が創建したのが始まりです。
ある日お寺を二上山の東麓に移すように、という夢を見ました。
二上山は大和では落日を象徴する山なので、山の東側こそ祈りの地としてふさわしいということだったのでしょう。
しかし壬申の乱の混乱で寺の移設は遅れ、親王の時代ではなく弟の時代に実現しました。
當麻寺には日本最古の三重塔が二塔立っています。
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門はもともと南に面していましたが、平城遷都とともに地の利を優先して東に変更しています。
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境内は広々していて大伽藍が数多く残っています。
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本堂。奈良時代のものです。
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とても大きくて立派です。
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東塔
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本堂から見た東塔
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西塔は現在修復工事中です。これは2016年秋に撮影した西塔です。奥に東塔が見えます。
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奥之院の庭園からは奈良市内が一望できます。(2016年秋撮影)
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講堂。鎌倉時代のもの。
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金堂。鎌倉時代のもの。
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本堂の扉も立派です。
元は南を正面に建てられていましたが、都が藤原京から平城京に移った時に地の利を優先して東を正面に変更しており、時代に即して柔軟に対応しています。
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奥之院楼門。江戸時代のもので、奥之院の正面。
そうして平安時代には四十以上もの僧坊を持つ大寺院として発展しました。
その後盛衰を繰り返しながら現在は13の僧坊を残す伝統寺院です。
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中之坊の庭園にはたくさんのお花が咲いています。
庭園から東塔を間近に見ることができます。
當麻寺には中将姫の物語が伝わっています。
庭園には色とりどりのお花が咲いています。
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中将姫は藤原家の娘で、観音様を厚く信仰していました。
しかし5歳の時に母を亡くし、父の後妻とうまくいかなくなったので14歳で読経三昧の隠居生活を送られました。
16歳のある日夕日の中に阿弥陀仏が浮かび上がり夕日一面に極楽浄土の光景が浮かび上がりました。
その仏様にお仕えしたいという一心でたどり着いたのが夕日を象徴する二上山でした。
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
アガパンサス
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色鮮やかで夏の花、という感じです。
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白いとても大きな紫陽花。
その頃の當麻寺は女人禁制でしたが、門の前の石の上で一心不乱に読経を続け数日後、不思議にもその石に姫の足跡が刻まれました。
その奇跡に心を打たれた当時の住職が女人禁制を解いて中将姫を迎え入れたのです。
中之坊では中将姫の剃髪が執り行われました。
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半分ずつ違う花です。
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色が綺麗です。
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半夏生
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庭園の様子
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二上山
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雄岳と雌岳
當麻寺の近くの千股池からは二上山を眺望できます。
池に映る二上山は絵になる光景です。
雄岳と雌岳の間に夕日が落ちる写真撮影のスポットでもあります。
千股池からの二上山は絶景です。
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當麻寺
【住所】〒639-0276奈良県葛城市當麻1263中之坊
【TEL】0745-48-2001
【拝観時間】7:00-17:00
【拝観料】當麻寺境内は無料 中の坊400円
【アクセス】近鉄・南大阪線「当麻寺」駅から徒歩約15分
近鉄阿部野橋駅から準急「橿原神宮行」で約40分
奈良・京都からは近鉄「橿原神宮前駅」から準急「阿部野橋行」で約15分
【駐車場】500円