有形文化財として登録されている「志賀直哉旧居」にお邪魔してきました。
志賀直哉氏が自ら設計した「志賀直哉旧居」は、老朽化が進み昭和五十年代に改築計画が持ち上がると保存を望む声も多かったこともあり、学校法人奈良学園が厚労省社会保険庁所有のこの旧居を買収。整備をしながら一般にも公開されることになりました。
門をくぐると美しい石畳が玄関に向かって伸びています。大きな一枚岩の縁に合わせて整えられた石の配置も素敵です。樹木の葉が盛んなこの季節、邸が見えないくらいに茂っているのですが、意図して見えないようにしているのかもしれませんね。。。
門からは、邸の大きさは想像できないのですが、部屋数も多く、天井から光を取り入れることのできるサンルームや茶室、書斎はたいへん味わい深いものでした。
門の左側に立つ看板は、一般公開されるにあたり作られたものですが、立体感のある丁寧な作り。
二階屋根の柱に吊り下げられた裸電球も趣きがありますね。
こだわりを感じる屋根の造りも目を惹きます。青々としたモミジの葉の緑が反射して美しかったです。
一階書斎から見える額縁のような窓枠も素敵でした。
若い頃の志賀直哉氏は、気が散らないよううす暗く、窓の小さい北部屋を好んでいたそうです。上のような部屋でブログを書いてみたいものですね。
ただ年を重ねるにつれて、寒さ堪(こた)える北部屋での仕事は避けるようになり、二階南向きにある六畳の部屋を書斎にして、一階北部屋は夏のみ使用していたとのこと。
上の写真は書斎屋根ですが、現代の和風建築にも受け入れられそうな美しいものでした。どっしりとした立派な梁に薄っすらと光が灯され雰囲気のある書斎でした。
茶室には、ホタルブクロの花と幾種かの葉が活けられていました。
多くの文人や画家が訪れたという茶室には、ほんのりと花を照らす採光と空間美が感じられます。
部屋の窓には昔ながらの「波ガラス(レトロガラス)」が使われています。
ガラス窓が波打っているのですが、わかりますかね?
技術も向上した今では真っ直ぐなガラスが使用されていますが、当時は、このようなゆらぎのある波ガラスでした。またこれらも趣きがありますね。いまでは特殊ガラスとして注文も可能ですが、少々お高くなるようです。
さて、そろそろ帰ることにしましょう。。。
【撮影日】 2018年5月26日(土)
【訪問地】 志賀直哉旧居 奈良市高畑大道町1237-2
【入館料】 大人350円、中学生200円、小学生100円
【開館時間】3~11月 9:30~17:30、12~2月 9:30 ~16:30
【駐車場】 近隣有料駐車場あり
【アクセス】近鉄奈良駅下車 徒歩20分
春日大社より徒歩10分
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