天龍寺北門から竹林の小路を抜けると日本の映画俳優・大河内伝次郎が30年かけて造り上げた大河内山荘庭園があります。
1930年代に活躍した映画俳優・大河内伝次郎(おおこうち でんじろう)が作庭した庭園です。小倉山からの雄大な景色に魅せられ、30年に渡り少しずつ造りあげた庭園だそうです。
大河内山荘庭園の入口
大河内山荘庭園の入口。
天龍寺北門から竹林の小路を歩いて突き当りにあります。
入場料は少しお高めの1000円ですが、料金にはお茶やお茶菓子が含まれていて、建造物内または紅葉の下にてお茶を楽しむことができます。
石畳の美しい小路
庭園の入口から坂道を上がると、右手に細い小路があります。
美しい石畳が敷かれ、少しずつ消えていく構成になっていました。何を表現しているのかは分からないのですが、決して永遠ではない人の一生を表現しているのかもしれませんね。
見事な紅葉でした。
大河内山荘庭園の入場料には、お抹茶と茶菓子費用が含まれていて、お茶席でのんびり楽しむことができます。
庭園の中門
庭園を散策していると随所に美を追求したこだわりを感じることができました。
庭園の中門の曲線を描いた屋根や樹木の配置、階段に使われている石に変化を付けた美しさ、大乗閣の細部に渡るこだわりも見応えがありました。
足元に敷かれた石も趣きのあるものばかり。
大乗閣
大乗閣。
嵐山を背景にした贅沢な借景。休憩スペースもあり、ベンチに座って景色を楽しめます!
均一の厚みの板を積み重ねた屋根。こだわりを感じます。
細部に渡り手の込んだ造り。
大乗閣の周辺の紅葉は見事でした。
屋根の降雨を排水する樋(とい)に竹が使われているのには驚きました。
竹は乾燥させると反ってしまいますので、2~3年物を使用します。私は見分けられませんが、竹の年齢は色彩で見分けるそうです。伐採してきたら、真ん中から竹を割り、節を叩いて取り除きます。割った断面のささくれは紙やすりで滑らかにします。
ん~、素晴らしい。細部にまで手間暇かけていますね。
大河内山荘庭園から比叡山を望む
奥に見える尖った山は比叡山。お子さんでも見えるようにと左下に岩が置かれています。心配りが素晴らしい!
足元に敷かれた石にも変化があり、飽きさせません。
同じような階段でも石の形を変えていますね。ご覧の通りです。
持仏堂
山荘造りは全てココから始まったと言われている持仏堂。
撮影の合間に念仏し、瞑想、静寂を得て庭造りに入ったとあります。時代劇スターと呼ばれる中で浮かれることなく「静」を求め、役者として波に乗っていきました。若い頃は、素質も認められず、誰も彼を使おうとする人がいなかったそうです。
白い砂地は川を表しているようにみえます。
庭園内の石仏のほとんどは目立たない所に置かれ、そっと見守ってくれている優しさを感じました。
滴水庵
滴水庵。
紅葉、苔が見事でした。
縁側に置かれた存在感のある石。お子さんやご年配の方にはちょうどいい高さの踏み台。
石の上に乗っているだけの柱。アップ写真も撮ってみました。
お寺の柱などと同じ工法です。大きな柱になると石の形に合わせて木口を調整するんですよね。。。
休憩所「月香」。京都タワーも見ることができます。
休憩所「月香」のベンチ。
わかりにくいですが、座る場所の木板の真ん中に竹一本が組み込まれています。
大河内伝次郎氏が亡くなって、すでに55年が経ちます。
神様や仏様をお迎えする神社やお寺でも管理が難しくなってきている世の中で、ほとんど当時と変わらないであろう美しさが感じられ見事でした。(大河内氏が生存していたなら、すぐにでも変えさせるのでは・・・と思う箇所が1箇所だけありました。私感になりますので明記はしませんが、天の声を聴いてみたいです)
また季節を変えて訪れてみようと思います!
大河内山荘庭園の入場料、営業時間、駐車場、アクセス、地図
【訪問地】大河内山荘庭園
【所在地】右京区嵯峨小倉山田淵山町8
【電話】075-872-2233
【入場料】大人1000円、中学生500円、小人500円
【営業時間】9時~17時
【駐車場】 駐車場あり
【アクセス】
JR/京福電車 嵐山下車 徒歩約15分
阪急電車 嵐山下車 徒歩約25分
市バス/京都バス 野々宮下車 徒歩約10分