今回ご紹介するのは、奈良市藺生町(いうちょう)にて農業を営む中西さん親子。お父さん(右側)で5代目、息子の哲也さんが6代目となる稲作のプロ農家さんです。
中西さん一家は、これからの農業を支えていくべくWebサイトの導入、ネット通販による拡販、ドローンを使った農薬散布など様々な効率化・拡販業務に日々取り組んでいます。
道の駅の販売では、売れた商品がスマホでわかるようシステム化されており、売れ筋を切らさないよう管理することができるようになっています。
将来的には、収穫や積み下ろしなど身体に負担の大きい作業にアシストスーツなどを使って負担軽減をしていくことになるのかもしれませんね。
プライベートでは、電車で通う高校生の息子さんを毎朝5時に起床して駅まで送り迎え。野球部に所属する息子さんは、帰りが遅くなることもしばしば。大変な業務が続く中、いつも爽やかな笑顔で対応してくれる中西さんには頭が下がります。
そんな中、毎月隔週で奈良市内に直接配達も行っています。完全自家栽培ですので、他の生産者のお米が混ざることもなく、安心・安全なお米を直接購入することができます。ご希望の方は、下記サイトよりお問合わせください。
中西農園ホームページはこちら
黄金色に染まった美しい大地。山から吹き降ろす優しい風に稲穂が躍ります。
中西農園は、奈良市都祁(つげ)において代々続く稲作農家。
木津川・大和川の源流、分水嶺である標高約450mの都祁高原の水と空気のきれいな環境で、昼夜の寒暖差のある米作りに適した土地にて農業を行っています。
水田は継続の難しくなった農家さんの田んぼもお借りしながら、約8haという広大な敷地を管理。(80,000平方メートル。所有及び賃借)
育苗・耕起・代かき・田植え・刈り取り・乾燥調整・色彩選別・石抜き・精米といったすべての農作業を行い、完全自家栽培である米を販売しています。
関東と関西では刈り入れの時期が異なるのですが、奈良はちょうど今が忙しいシーズン(9月)。
4月になると桜並木(右手)が満開となる道。黄金色に染まった田んぼがきれいですね。
ワンちゃんを連れて、田んぼに向かいます。
昔は稲一株を握り、その年の良し悪しを判断していたと教えてくれました。
手の平を頭の方にずらしていって、お米が多ければ途中で手が止まり、少なければ通り抜けてしまうとのこと。
今年は良さそうですね!
↑ 田んぼの水抜きをするための開閉装置。
お米はタイミングを見て水抜きをし、土が乾燥してから刈り取りをします。
コンバインを使って作業開始。
外側からグルグルと中心に向かって進んでいくのですが、最近のコンバインはスピードもパワーもありますね。あっという間に1周して戻ってきました。広大な敷地を管理する中西さんにとって、作業効率を高めることは大事なこと。
早朝は朝露で湿っていることが多いため、作業は午前遅めの時間帯からスタートします。
↑ 稲刈りをした後、土の上に落ちた草は牛を飼っている業者さんがまとめて引き取ってくれることになっています。持ち帰って牛さんのエサになるそうです。
稲刈りが始まると、ビックリした羽虫やバッタが飛び出てきます。足元にもバッタなどの昆虫がピョンピョン飛び跳ねています。
それを知るツバメが周囲を飛び回り、コンバインの動きに合わせて羽虫やバッタなどを捉えていくのです。
↑ 収穫も近くなってくると農家さんにとって、脅威でもある台風が牙をむきます。
稲が倒れてしまったら収穫ができない・・・
と思いきや、
最近のコンバインは稲が倒れても株の根元が土の上に15~20cmでも残っていれば、写真上の赤丸の白い牙が倒れた稲を持ち上げてて刈り取れるようになっています。
これは農家さんにとってもありがたい装置ですね。
ただこの” 牙 ”をも使えなくなる農家さんにとっての難敵がいるそうなんですが、なんだかわかりますか?
答えは「イノシシ」です。
鳥や鹿などによる小動物の被害は知れたもので、特に気にしないそうです。イノシシは稲を食い荒らした後、大運動会を始めるので大変迷惑な動物と説明してくれました。
体についた汚れや寄生虫を落とすために稲の上を転げまわり、得意のジャンプで稲をグシャグシャに。ひどいときは、田んぼの畦(あぜ)も壊してしまいます。
田んぼを電気柵で囲う方法もありますが、おおきなイノシシになると電気柵も利かないようで、最終手段として、捕獲を行います。いろいろと悩みはつきないようです。
コンバインは稲刈りだけでなく、稲の穂から「もみ」を取る脱穀も行います。脱穀した「もみ」は、トラックの荷台にあるコンテナに入れられ、また刈り取り作業に戻ります。
コンバインで難しい場所などは昔ながらに手斧で刈り取られ、それらの稲はコンバイン横から脱穀を行います。
トラックのコンテナが満杯になると、一度、乾燥機のある自宅に戻ります。
お父さんがワンちゃんに「乗れ」と言葉をかけると、荷台にジャンプ。
かわいいワンちゃんですね。
刈り取り直後の「もみ」は水分を多く含むため乾燥機にかけます。
刈り取られたばかりの「もみ」は20%超の水分を含み、これらを14%前後まで落とす必要があります。というのも水分を多く含んだお米は発酵して熱が発生してしまうため、最終的には腐ってしまうからです。
ただこの乾燥機も1年で数回使う程度のもので、昔は一家に一台あったそうです。
せっかくなので水分量を計測していただきました。
↑ 2回計測したところ、23%と28.6%という結果に。
同じ田んぼでも場所によって「もみ」の水分量が異なるのですね。これから乾燥機にかけて14%前後まで落とします。
↑ 来年の田植えのために種(もみ)を忘れずに袋詰めします。
収穫作業はこれからしばらく続きますが、身体に気をつけて頑張ってくださいね。
中西さん、お忙しいなか、お時間をいただきましてありがとうございました。
中西さんの美味しい新米はWebサイトから購入できます。
笑顔のように輝くお米をぜひお試しください!
【社名】 中西農園
【住所】 奈良県奈良市藺生町1111-2
【代表】 中西 哲也
【URL】 http://nakanishi-farm.jp
【事業内容】 お米の生産、販売、野菜の生産、販売
【取引先】 直売所、一般消費者(直接販売・宅配便)
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