パワースポットにもなっている奈良にあるピラミッド。
正式名称は「史跡 頭塔(ずとう)」と言って、国内でもたいへん珍しい檀状になった奈良時代の塔となります。
場所は、奈良・東大寺南大門から約950m、新薬師寺から約700mの奈良市高畑町にあります。下の道路は奈良名張線で、奥に見える信号交差点は「高畑町」です。
↑ 中央左の緑色の看板が目印で、この奥に奈良のピラミッド「史跡 頭塔」があります。緑の看板は「ホテル ウェルネス 飛鳥路」。
「史跡 頭塔」は、ホテル ウェルネス飛鳥路の隣にありますので、ホテルで見学料300円を支払いを済ませると入場することができます。
するとピラミッド状の不思議な建造物が見えてきます。
まさか奈良にピラミッドがあるなんて・・・。
「史跡 頭塔」の周囲は木道が作られていて、たいへん歩きやすくなっていました。
頭塔は、方形七段の盛土の表面を石で覆ったもので、44体の石仏を配した日本でも珍しい仏塔。頭塔の1辺は32mあり、高さは約10mになります。
「東大寺要録」によると、奈良時代の僧・実忠によって造営(767年)されたと記録されており、五重塔などと同じように仏舎利を収める仏塔と考えられています。
↑ 写真左右共に「浮彫如来及両脇侍二侍者像」。
※侍者(じしゃ)・・・貴人のそばに仕えて、用を足す人。
石仏は総数44基で、第1・3・5・7の奇数段に各11基ずつ配置されていたことがわかっています。当時は露出していた13基の石仏が国の重要文化財に指定され、その後の調査で新たに発見された石仏と合わせて22基が重要文化財に指定されています。
石仏の上の屋根(左上写真)は、本来あったものではなく、石仏を直射日光や風雨から保護するために設置されたものだそうです。
頂上にある五輪塔(右上写真)。東面基壇石積の辺りからわずかですが望むことができます。
この頭塔は、奈良時代の僧「玄昉」の頭を埋めた墓という伝説もあり、その名の由来ともされてきましたが、実際には、東大寺の僧が国家安泰を祈って築いた土塔の跡で、土塔(どとう)がなまって頭塔(ずとう)と呼ばれるようになったとも言われています。
僧「玄昉」は、聖武天皇の信頼も篤く、政権の担い手としても出世しましたが、人格に対して人々の批判も強く、玄昉を排除しようとする動きもありました。
史書である「続日本紀」には、「藤原広嗣が霊の為に害せらる」とあって、当時広嗣の怨霊によって玄昉が死んだとあり、「元亨釈書(げんこうしゃくしょ)」には、空中から手があらわれて玄昉を連れ去り、後日、頭のみが興福寺に落ちており、これが広嗣の霊のせいだという記事も残っているそうです。
僧「玄昉」に関しては、奇怪な逸話も多いことから「頭を埋めた墓」というのも、リアルなストーリーに聞こえてしまいますね。。。
【撮影日】 2019年12月22日(日)
【訪問地】史跡 頭塔 奈良市高畑町921番地
【公式HPアドレス】 http://www.pref.nara.jp/6709.htm
【拝観料】1人300円(10名以上の団体は200円/名)
【拝観時間】9:00am~17:00 受付は16:30まで
【駐車場】 最寄に民間の有料駐車場あり
【アクセス】奈良交通 市内循環バス「破石町」西すぐ
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