近鉄学園前にある閑静な住宅街に建つ「松柏美術館」に行ってきました。
松柏美術館は、日本画家の上村松園、上村松篁、上村淳之の作品などの収集・保管・展示を目的として建てられた美術館です。上村松園は、美人画家として日本画史に残る人物で、1948年、女性として初めて文化勲章を受章した日本画家となります。
1965年(昭和40年)の切手趣味週間の年に、上村 松園の代表作「序の舞」が切手の図案として採用されました。赤い着物を着た女性の絵をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
赤い大振袖に扇子を持ち、右手を前方にあげた気品ある作品です。
「この絵は、私の理想の女性の最高のものといっていい。自分でも気に入っている女性の姿であります」
と上村松園は語っています。女性の美に対する理想、あこがれを追求し続けた作品は美しく、気品が感じられるものばかり。
松柏美術館には、松園の息子・松篁、孫の淳之と3代にわたる画が収められています。
【訪問地】松柏美術館 【所在地】奈良市登美ヶ丘2丁目1番4号 【電話】0742-41-6666 【開館時間】10:00~17:00(入館は16時まで) 【入館料】大人820円、小中学生410円 ※特別展は別料金 【休館日】月曜日(祝日の場合、次の平日)、年末年始、展示替期間、その他必要に応じ 【駐車場】無料駐車場あり 【アクセス】近鉄奈良線「学園前駅」北口バス5・6番のりは 大渕橋バス停から徒歩2分 |
松柏美術館 アクセス
松柏美術館
目の前には大渕池や緑が美しい大渕池公園(西地区)があり、素晴らしいロケーションとなっています。
建物裏の小高い丘より。
車道に面した松柏美術館入口から建物をぐるりと回ったところに美術館のエントランスがあります。樹木で見えませんが、写真左手に佐伯邸があります。
上村松園
松園の母は、親戚や周辺の反対意見には耳を貸さず、幼い頃より絵を描くことが好きだった娘を画を学べる京都府立画学校に入学させます。
画学校では上村松園の最初の師としても知られる日本画家・鈴木松年の教えを受けます。明治26年には、日本画家の幸野楳嶺(こうのばいれい)の弟子となり、幸野楳嶺の死後は、幸野の門下生でもあった竹内栖鳳(たけうちせいほう)から絵を学ぶことになります。
上村松園は、美しい理想とする女性を描き続けたことで、女性画家として地位を確立していきます。
25才になった上村松園が日本美術院、日本絵画協会第九回共進会の合同展に出展した「花ざかり」が賞(銀牌)を獲得。
銀牌(ぎんぱい)を受賞したメンバーには、下村観山、菱田春草、横山大観、鈴木松年、川合玉堂と日本を代表する画家が名を連ねており、松園は画壇にて広く知られるようになりました。
女性というだけで偏見や妬みを持つ人も多く、いろいろと苦労もあったようですが、毅然とした対応で乗り切ったといいます。
松柏美術館は近鉄名誉会長・佐伯氏の邸宅敷地内に建設
松柏美術館の敷地は、近鉄の名誉会長だった佐伯勇氏の邸宅だったそうです。
日本画家の上村家より作品が寄贈され、近鉄が中心となって美術館を設立しました。
■佐伯勇氏 近鉄の元社長、名誉会長で、近鉄グループの総帥。43才で取締役となり、1951年に7代目社長に就任。それから21年もの長きに渡り社長と務め、1973年に会長に就任。近鉄を私鉄の日本一に築き上げました。 プロ野球・近鉄バファローズの初代オーナー。 |
旧佐伯邸
美術館の東側に旧佐伯勇氏の旧邸があります。
松柏美術館の開館日、土日祝の11時~15時の間のみ開放されています。3~6月、9月~12月は茶室営業もしています。
茶会や句会などによる使用もできるとのことで、希望される方はお問合せください。
【訪問地】松柏美術館
【所在地】奈良市登美ヶ丘2丁目1番4号
【電話】0742-41-6666
【開館時間】10:00~17:00(入館は16時まで)
【入館料】大人820円、小中学生410円 ※特別展は別料金
【休館日】月曜日(祝日の場合、次の平日)、年末年始、展示替期間、その他必要に応じ
【駐車場】無料駐車場あり
【アクセス】近鉄奈良線「学園前駅」北口バス5・6番のりは
大渕橋バス停から徒歩2分
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