古都京都の文化財のひとつとして世界遺産に登録されている京都府宇治市にある仏教寺院「平等院鳳凰堂」。
現在、平等院鳳凰堂は、特定の宗派に属さない寺院となっており、お寺の管理は最勝院(天台宗)と浄土院(浄土宗)が交代制で共同管理をしています。
昔は平等院の管理を天台宗と浄土宗のどちらがするかで争っていた時期があり、天和元年(1681年)の裁定により、共同管理していくことが決まりました。
もくじ
世界遺産 平等院鳳凰堂の住所、拝観時間、拝観料、駐車場、アクセスなど
【訪問地】 平等院鳳凰堂 (世界遺産) 【所在地】京都府宇治市宇治蓮華116 【電話】0774-21-2861 【HPアドレス】 https://www.byodoin.or.jp/ 【拝観料】大人600円、中高生400円、小学生300円 【拝観時間】8時30分~17時30分(庭園) 【駐車場】 近隣に有料駐車場あり 【アクセス】 「京都駅」からJR奈良線で17分(みやこ路快速)、「宇治駅」下車、徒歩10分 京阪電鉄宇治線で「宇治駅」下車、徒歩10分 |
世界遺産 平等院鳳凰堂 アクセスマップ
平等院鳳凰堂の絵柄は10円玉以外にも使われている?
最近は、決済手段に変化が出てきていますが、日本人なら誰もが目にしたことのある10円玉硬貨の絵柄がここ京都にある「平等院鳳凰堂」です 。
実はお札にも描かれているのですが、どのお札か分かりますか?
正解は、
1万円札です。
お札の裏面をよく見てみると”鳳凰(ほうおう)”が描かれているのが分かります。
日本には多くのお寺や神社がありますが、平等院が硬貨にもお札にも使われているというのは驚きですね。
京都宇治の地は、平安時代から貴族の別荘として人気があり、平等院も元は嵯峨天皇の皇子・源融(みなもと の とおる)の別荘だったものが宇多天皇 ⇒ 天皇の孫である源重信 ⇒ 摂政 藤原道長 の別荘となり、道長が宇治殿を寺院に改めたのが始まりとなります。
「特定の宗派に属さないお寺」など歴史的背景や名称、そして均整のとれた特徴的な建造物、美しい鳳凰が硬貨やお札の絵柄に選ばれたのも納得です。
貨幣のデザインというのは、生活に密着した植物(菊や桜、桐など)や日本を代表する農作物、自然風景(富士山等)を選ぶことが多いのですが、平等院鳳凰堂は、日本の代表的な文化財で建物に特徴があるため10円硬貨のデザインに選ばれたと言われています。
↑ これが10円玉に描かれている世界遺産・平等院鳳凰堂(国宝)の全景。
10円玉を手に取って記念撮影をしてみるのも思い出になりそうですね。
↑ 1万円札に描かれている「金堂鳳凰(こんどうほうおう)」。
この鳳凰は屋根の両端に据えられている2代目の鳳凰となります。
2012年から2014年3月末までの間、専門的な知識と高度な技術を有する職人たちによって屋根の葺き替え、屋根の鳳凰や宝珠、柱などの塗り直しが行われました。
初代「鳳凰(国宝)」は、「平等院ミュージアム鳳翔館」に飾られています。
素晴らしいですよ♪
本物が持つ輝きを、ぜひご自身の目でお確かめください。
” 輝き ”と言っても、キラキラしているわけではありません。。。念のため。
屋根上の鳳凰をアップで高画質で記録したい場合には、300mm前後の望遠レンズがあると画面に大きく配置することができます。
手持ちのレンズで撮影をしておいて後でトリミングという手もありますが、少しでも綺麗に撮りたい方は望遠レンズを持っていくことをおすすめします。
京都にあるお寺としては珍しく、平等院ではこの季節も三脚の使用が許されていますので、カッチリ撮りたい方は三脚もお忘れなく。
三脚を持参したときの移動時や撮影時は拝観者に注意をして撮影をしましょう!
夜間のライトアップ時は、三脚、一脚の使用は禁止となっていますので、ご注意ください。
世界遺産・平等院鳳凰堂の紅葉
現存する数少ない浄土式庭園、紅葉に彩られた平等院鳳凰堂も、また格別ですね。
平安時代後期(1053年)に、関白 藤原頼道によって建立された「阿弥陀堂」は、翼を広げた鳥のように見え、屋根上には鳳凰が据えられていることから「鳳凰堂」という呼び名が江戸時代中期より使われ始めました。
鳳凰堂の建物は、中堂、北翼廊、南翼廊、尾廊の4棟から構成され、本尊の「阿弥陀如来坐像(国宝)」は、稀代(きたい)の仏師・定朝(じょうちょう)の作で、現存する唯一の作品となっています。
他にも定朝作と伝えられる仏像が残っているようですが、そのほとんどが別人の作と言われているそうです。
2012年から2年かけて修繕工事が施され、朱色の美しい姿となりました。
写真の六角堂は1902年~1907年に行われた鳳凰堂の翼廊の解体・修理で出た廃材を使って建てられました。
観音堂と梵鐘(国宝)
鎌倉時代前期に創建当時の本堂跡に再建された観音堂(かんのんどう)。天平以来の格式高い様式に倣っています。(重要文化財)
以前は堂内に十一面観音像が安置されていましたが、現在は「平等院ミュージアム 鳳翔館 」に置かれています。
平等院鳳凰堂の梵鐘(ぼんしょう)は、日本三名鐘のひとつに数えられます。写真の梵鐘(ぼんしょう)はレプリカです。
天子、獅子、唐草模様など繊細な浮彫りが施されており、国宝に指定されています。
ちなみに日本三名鐘は「神護寺(じんごじ)の鐘」「平等院の鐘」「三井寺(みいでら)の鐘」とされています。
神護寺・・・ 京都府京都市右京区梅ケ畑高雄町5
三井寺・・・ 滋賀県大津市園城寺町246
平等院の梵鐘(実物)は「平等院ミュージアム鳳翔館」に収蔵されています。
平等院ミュージアム鳳翔館
平等院ミュージアム鳳翔館。
鳳翔館に展示されている実物の鳳凰(国宝)は見応えがあります。ミュージアムへの入場は拝観料に含まれていますので、忘れずにお立ち寄りください。
そう言えば、
鳳凰はオスメスの区別ができるようになっているそうですよ。
尻尾が大きく垂れさがっているように見えるのがオス、尾が上を向いているのがメスとのことです。
なんと10円玉もオスとメスの区別ができるものがあるそうで、昭和26年と27年のギザギザ10円で雄雌半分ずつ含まれているとのこと。
私もどこかにギザ10円を保管しているので、確認してみますね。
浄土院(じょうどいん)。15世紀後半に平等院修復のために建てられたものです。
養林庵書院(ようりんあんしょいん)
重要文化財の養林庵書院(ようりんあんしょいん)。
豊臣秀吉の居城であった伏見城から浄土院に移築されたと伝えられる建物です。
写真の門左手には、檜皮葺(ひわだぶき)の建物があるのですが、写したものが見当たらず・・・次回改めて撮影をしてアップしたいと思います。
源頼政の墓
平等院の塔頭最勝院にある源頼政の墓。
頼政のお墓は、頼政の地元となる兵庫県の長明寺にも墓所があります。平等院のお墓は江戸時代に作られたものとなります。
源頼政は、平清盛から信頼され、晩年には武士としては破格の従三位(じゅさんみ)まで昇りつめ、太政官の最高幹部となる”公卿(=高官)”として国政を担いました。
しかし、平家の横暴な振る舞いに不満が募り、頼政は後白河天皇の皇子・以仁王(もちひとおう)と平氏打倒の挙兵を画策。
その計画が平家に伝わってしまい、準備不足のまま闘うことに。
慎重に運んでいたはずの計画が平家に漏れてしまうというのは、人間関係の難しさを感じてしまいますね。
そのまま追い討ちを受け、以仁王(もちひとおう)は戦死、頼政は自害しました。
平等院鳳凰堂を出てすぐの宇治川沿いも、紅葉が見事です。晴れた日は、川沿いでお弁当もいいですね。
人も少なくのんびりとした風景に癒されます♪
抹茶ソフトクリームが人気の中村藤吉のお茶屋さん。
宇治川で舟遊びもいいですね。
宇治川観光通船には、宇治のほうじ茶と抹茶わらび餅などを楽しみながら観光をする「おやつタイムプラン」、お弁当や本場宇治料理を食べながら楽しむ「舟内食プラン」、鵜飼観賞をしながら夕食を食べる「夕食・鵜飼プラン」などがあります。
美しい景色を楽しみながら贅沢な時間を過ごせそうですね。
■ 宇治川観光通船
【住所】京都府宇治市宇治塔川4−5
【電話】0774-21-2328
平等院鳳凰堂の拝観後は、宇治川沿いにある十三重石塔や天ヶ瀬吊橋まで足を伸ばしてゆっくり散策してみるのもオススメですよ~。
御朱印をいただける場所
お参りの証・御朱印をいただける場所は、下記の通りです。
【場所】鳳凰堂を正面に見て、左側にある集印所、浄土院、最勝院の3か所 【時間】9:00~17:00 【初穂料】300円 【御朱印帳】1,500円 |
■平等院鳳凰堂の周辺 「三室戸寺」「宇治市源氏物語ミュージアム」「鴻ノ巣山運動公園」 |
■京都の世界遺産 「上賀茂神社」「下鴨神社」「金閣寺」「龍安寺」「仁和寺」「銀閣寺」「延暦寺」「高山寺」「東寺」「西本願寺」「二条城」「清水寺」「西芳寺」「天龍寺」「醍醐寺」「平等院鳳凰堂」「宇治上神社」 ※順不同 |
■奈良の世界遺産 「東大寺」「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」「平城宮跡」「薬師寺」「唐招提寺」「法隆寺」「法起寺」「吉野・大峰」 ※順不同 |
【訪問地】 平等院鳳凰堂 (世界遺産)
【所在地】京都府宇治市宇治蓮華116
【電話】0774-21-2861
【HPアドレス】 https://www.byodoin.or.jp/
【拝観料】大人600円、中高生400円、小学生300円
【拝観時間】8時30分~17時30分(庭園)
【駐車場】 近隣に有料駐車場あり
【アクセス】
「京都駅」からJR奈良線で17分(みやこ路快速)、「宇治駅」下車、徒歩10分
京阪電鉄宇治線で「宇治駅」下車、徒歩10分