唐招提寺 / 奈良 世界遺産

唐招提寺 金堂

唐招提寺は、奈良市五条町にある寺院。中国・唐出身の僧・鑑真(がんじん)が建立し、晩年を過ごしたお寺となります。

お寺は当初「唐律招提」としており 「唐の律を学ぶ道場」という意味がありましたが、後に官額を賜ってから「唐招提寺」と称するようになったそうです。

ちなみに「唐招提寺」の「唐招」は、「唐から使者を招いたお寺」 または「鑑真和上をからいた」という印象もありますが、仏教用語で「招堤」という言葉があり”寺院”や”道場”という意味があります。

それと鑑真和上の出身でもある”唐”が関連して「唐招提寺」と称されています。

唐招提寺 世界遺産

唐招提寺は、中国・唐出身の鑑真(がんじん)が晩年を過ごしたお寺で、奈良時代建立の金堂(国宝)、講堂(国宝)、経蔵(国宝)、宝蔵(国宝)等、多くの文化財を有し、古都奈良の文化財の一部として、1998年にユネスコより世界遺産に登録されました。

写真の記念碑は、1998年に世界遺産に登録されたときに建てられたものです。

唐招提寺 金堂(国宝)

唐招提寺 金堂
唐招提寺 金堂 蓮の花

金堂前の蓮の花。

南大門をくぐると厳かな金堂の姿が見えてきます。
奈良時代建立の寺院金堂としては現存唯一のもので、国宝に指定されています。

金堂の本尊でもある「廬舎那仏坐像(国宝)」は3メートルを超える大きさで、光背の高さは5.15メートルにもなり、その光背には化仏(けぶつ)が862体あります。

廬舎那仏坐像の向かって右側には「薬師如来立像(国宝)」、向かって左側には「千手観音菩薩立像(国宝)」、金堂の四隅には仏教世界を守る護法神「四天王立像(国宝)」が安置されています。

唐招提寺 御朱印所

御朱印は金堂正面の右手にある御朱印所(売店)にていただけます。混み具合によっては、20分以上かかる場合もあるそうなので、先に御朱印所に朱印帳を預けておくと良さそうです。

唐招提寺 新宝蔵

唐招提寺 新宝蔵

昭和45年に建てられた収蔵展示施設「新宝蔵」です。

金堂に安置されていた木造大日如来坐像、奈良時代に制作された多くの木彫像が収められています。

※7月1日~8月31日までの夏の期間は閉館していますので、ご注意ください。

唐招提寺

境内を歩いていると、ちょっとした拘り(こだわり)が目に留まります。

鑑真和上御廟

唐招提寺 鑑真和上御廟

鑑真和上御廟(がんじんわじょう ごびょう)の門が見えてきました。

築地塀に穴がいくつか開いていました。

これは築地塀の制作過程で棒を入れて行う作業があり、最終的にそれらを抜く必要があります。棒を抜いた後は、同じ材質の土で穴を埋めるのですが、どうしても脆く(もろく)なってしまうため、穴の部分の土だけが崩れて露呈してしまったものとなります。

唐招提寺 鑑真和上御廟

門をくぐると、一面コケに覆われた風景が拡がります。

唐招提寺 鑑真和上御廟

鑑真和上御廟の手前にある小さな橋。
左右に設置された柵が美しいですね。

唐招提寺 鑑真和上御廟

鑑真和上御廟(がんじんわじょう ごびょう)。

いまも参拝する人が途絶えないという鑑真和上の墓所。
八角形の玉垣は、近年中国より寄進されたもので、 向かって写真の右端には、鑑真和上の故郷の名花「瓊花(けいか)」が植えられています。

実は、鑑真が日本に渡海してくるときは、鑑真の渡日を惜しむ弟子たちの抵抗などにより何度も失敗に終わっています。

5回目の日本行では激しい暴風に遭い、14日間も漂流し、遥か南にある中国・海南島に漂着。鑑真は海南島の大雪寺に1年滞在し、海南島に医療の知識を伝えました。海南島には今も鑑真の遺跡が残されています。

いまでこそ気候を読みながら海を渡ることができますが、当時は遭難する船もある命がけの航海です。

以前に天候が悪く、テーブルの上のコップや調味料が滑り出すという最悪の状況下の船に乗っていたことがあるのですが、かなりコワかったことを覚えています。当時の航行であれば、想像を超える恐ろしさだったのでしょうね。

6回目にして遂に日本の地に赴くことができ、それから76才までの10年間のうち5年を東大寺、残りの5年を唐招提寺にて過ごされました。

5回目の日本行では、途中、心労も重なり両目を失明してしまいます。
唐招提寺に安置されている日本最古の肖像彫刻で目を閉じている「鑑真和上像(国宝)」は、失明しながらも戒律を確立した姿に、何事も受け止めてくれるような優しさが感じられます。

鑑真和上の像はいつでも公開されているわけではなく、毎年6月5日~7日の3日間の開山忌に新宝蔵にて公開されます。

※鑑真和上像は、精巧に作られたお身代わり像が旧開山堂にて常時公開されています。

なぜ鑑真和上が日本に来たのか

奈良時代初期の日本の仏教界には公式の戒律がなかったこともあり、自分で出家を宣言する僧侶「私度僧」が多くなり、仏教界は乱れていました。

そのため僧侶に位を与える制度を普及させようと聖武天皇が僧侶を捜していました。

その命をうけて日本人の僧侶・宋叡(ようえい)と普照(ふしょう)が「信者・出家に戒を与える」ことのできる僧を招請するために唐に渡りました。

そのとき訪れたのが、戒律の僧として高名だった鑑真だったのです。

宋叡(ようえい)と普照(ふしょう)は、日本にしかるべき僧を推薦してくれるよう鑑真に申し出ました。

鑑真がそのことを弟子たちに伝えると、渡航の危険さを理由に渡日を断る者ばかり。そこで鑑真は自ら渡日することを決意します。

そして

754年4月に東大寺大仏殿前にて、聖武天皇、光明皇皇后、孝謙天皇らに菩薩戒、沙弥(しゃみ)、僧に具足戒を授けました。

※沙弥(しゃみ)・・・7~20才未満の修行僧、出家者
※具足戒・・・仏教で出家した修行者が遵守すべき戒のこと

現在は「御影堂」が大修理のため拝観できませんでしたが、東山魁夷画伯が鑑真和上に捧げた中国の壮大な風景を描いた襖絵「揚州薫風(ようしゅうくんぷう)」「黄山暁雲(こうざんぎょううん)」「桂林月宵(けいりんげっしょう)」等も拝観することができます。

※御影堂の大修理事業は、2022年3月までとなっています。

鼓楼、開山堂

写真中央に見えるのが「鼓楼」で、鎌倉時代に源頼朝から寄進されたと伝わり、大切な経典を収めた図書室のような保管場所として使われていました。

「鼓楼」の1階には3000粒の仏舎利が収められていることから「舎利殿」とも呼ばれています。仏舎利は国宝に指定されている「金亀舎利塔」に収められています。

ちょうどこの撮影をした後方に開山堂(かいさんどう)があり、鑑真和上のお身代わり像が公開されています。撮影禁止のため東室、礼堂、鼓楼のある側を撮影しています。

唐招提寺 講堂(国宝)

平城宮の東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)を移築・改造したものとなります。

朝集殿(ちょうしゅうでん)とは、貴族たちが宮廷に参内する前に身づくろいする場所で、移築後は学問をする講堂として唐招提寺の重要な建物となりました。

ここで鑑真和上が仏教を広めるために、日本中から集まった学僧たちに戒律を説いていたと伝わります。

内部には、本尊「弥勒如来坐像(重要文化財)」「持国天立像(国宝)」「増長天立像(国宝)」等、多くの仏像が安置されています。

唐招提寺 本坊

唐招提寺の本坊入口。
築地塀が緑に調和して美しいですね。

毎年6月下旬ごろより蓮の花が見頃を迎えます。(要確認)

唐招提寺 蓮の花

開いた蓮の花もうつくしいですね。

唐招提寺 戒壇

金堂の西側にある戒壇(かいだん)。

僧となるための授戒が行われる重要な場所となります。いまでも授戒はここで行われています。

当時からのものは3段の階段のみが残り、昭和53年にインド・サンチ―の古塔を模した宝塔が階段の上に築かれたそうです。

ヒヨドリがセミを捕らえて食べていました。鳥たちもこの季節はエサに困らないかもしれませんね。

唐招提寺は、緊急事態宣言の解除に伴い、拝観が再開されました。蓮の花も薬草園・本坊前庭・金堂前・売店付近の4ヶ所で咲いています。

距離を保ちながら、お楽しみください。

■唐招提寺周辺の観光地
薬師寺」「大和郡山城」「平城宮跡」「金魚すくい道場 こちくや」「イオンモール大和郡山」
■奈良の世界遺産
東大寺」「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」「平城宮跡」「薬師寺」「唐招提寺」「法隆寺」「法起寺」「吉野・大峰」 ※順不同
■京都の世界遺産
上賀茂神社」「下鴨神社」「金閣寺」「龍安寺」「仁和寺」「銀閣寺」「延暦寺」「高山寺」「東寺」「西本願寺」「二条城」「清水寺」「西芳寺」「天龍寺」「醍醐寺」「平等院鳳凰堂」「宇治上神社」 ※順不同

唐招提寺の拝観時間、拝観料、アクセス

【訪問地】唐招提寺
【所在地】奈良県奈良市五条町13−46
【電話】0742-33-7900
【公式URL】https://www.toshodaiji.jp/
【拝観時間】8:30~17:00(受付は16:30まで)
【拝観料】大人1,000円、中高生400円、小学生200円
【駐車場】周辺に民間駐車場あり
【アクセス】車ナビに「唐招提寺」または「0742-33-7900」とご入力ください。

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