2020
02.26

奈良 世界遺産 / 薬師寺

Nara, W-Heritage

古都奈良の文化財として1998年にユネスコより世界遺産に登録された薬師寺( 奈良市西ノ京 )は、奈良県奈良市西ノ京に所在する寺院です。

薬師寺は法相宗の大本山で、天武天皇の発願で飛鳥の藤原京に造営されたものが平城遷都後に現在の西ノ京に移転したものと伝わります。 直線距離にしておよそ20km。

Googleマップ参照。

奈良県橿原市に位置した「藤原京の薬師寺」は、「西ノ京の薬師寺」と区別するために「本薬師寺(もとやくしじ)」と呼ばれ、いまも金堂の礎石の一部が残っています。本薬師寺跡として特別史跡に指定された周辺には、毎年8月下旬~9月になるとホテイアオイの花が咲き誇り、多くの人が訪れる撮影スポットになっています。

本薬師寺跡のホテイアオイはこちら >>>

薬師寺 2月 世界遺産

薬師寺 世界遺産

薬師寺・西塔。

西塔は享禄元年(1528年)に戦災で焼失、現在の塔は1981年に伝統様式と技法で再建されたものとなります。

薬師寺の金堂、西塔を再建した方は、法隆寺専属の宮大工 故 西岡常一氏。以前に本の紹介をさせていただいた「木に学べ」の著者で、祖父の指示もあり小学生の頃から現場で働かされ、大工としての技能を徹底的に仕込まれた職人さんです。

西岡氏が薬師寺の金堂・西塔の再建を進めていると、効率や調達のしやすさなど現代の建築方法や手法を提案をしてくる学者も多かったようです。

長年、宮大工として培ってきた経験と豊富な知識を持つ西岡氏は、伝統様式と技法から一歩も引かず、学者と激しいケンカもしたそうです。最後は持論を通し、修理完了にこぎつけたと記録されています。

一般の人からすると表向き何も変わらないように見える西塔も、西岡氏によって伝統様式と技法が守られたことは、たいへん意義深いことだと思います。

一流アスリートの背景を知ると、様々な苦労や努力が見えてくるものです。金堂や西塔の前に立った時、職人の思いや気迫を感じることで、参拝者・観光客としても興味深く接することができますね。

「金堂と西塔の再建では、職人と学者が大ゲンカしたんですよー」

拝観ツアー時に、金堂・西塔の再建ストーリー、人間ドラマを1~2分でも聞かせてもらえると、お寺や歴史的建造物への魅力が増すような気がします。

薬師寺 世界遺産

梅の花と薬師寺・東塔。

2009年から始まった解体修理事業がいよいよ落慶(4月修理完了予定)間近となりました。たのしみですね。

相輪と呼ばれる先端部分も修理・再現がなされた箇所となります。

今回、相輪で再現されたものは、時間とともに変化した見た目の色あいから素材に含まれる銅や錫、亜鉛、鉛等の割合、波打った形状など多岐にわたります。

相輪の一部・赤丸の水煙と呼ばれる部分は、高さ約2m4枚構成で24人の飛天が飛雲(ひうん)の中で笛を吹きながら舞っている美しいデザインとなっています。

この相輪の水煙ですが、重さが1枚100kgあるものが4枚、合計400kgもの重量をボルトを使わず組み上げていたというから驚きです。

三重塔の心中は相輪を支えるためにあると何かで読んだ記憶がありますが、この重量を聞くと納得してしまいますね。

薬師寺 世界遺産

薬師寺は、飛鳥の藤原京に造営されたものが8世紀初めに現在の西ノ京に移転されたものとなります。

薬師寺 世界遺産

奈良時代の最高傑作の1つをされる本尊薬師三尊像(国宝)が安置された金堂です。右手を見ると赤いコーンが立っていますね。東塔工事もあと少しです。

薬師三尊は、衆生を病から救う薬師如来、一千の光を照らして闇を撃退する日光菩薩、月の清浄な光で癒す月光菩薩の三体となります。日光菩薩も月光菩薩も薬師如来のサポーターで、必ずペアで薬師如来を守ります。

薬師寺は、天武天皇の皇后、後の第41代天皇となる持統天皇の病気平癒を祈願して建立されました。薬師如来は「衆生を病から救う薬師如来」。仏像の美しさは実に見事で、天武天皇の思いの強さが感じられます。

薬師寺 世界遺産

2003年に再建された大講堂。

正面41m、奥行20m、高さ17mあり、伽藍(がらん)最大の建造物になっています。中央左に写る人と比較していただくと、その空間、建物の大きさを感じていただけます。

※伽藍(がらん)・・・寺院の建造物の総称

大講堂の建物内には、銅造三尊像(重要文化財)が安置されていますが、制作時期、元々どこにあった像なのかわかっておらず、大講堂再建前は、金堂の本尊と同じ「薬師三尊」としていましたが、再建後は「弥勒三尊」としています。

※「薬師」と「弥勒」・・・人々を病から救う「薬師」に対し、「弥勒」は未来に出現し、人々を救う・救済する仏様となります。

不思議ですね。

境内に漂うお線香の香りにも癒されます。

世界遺産の薬師寺は、異なる季節の写真が撮影でき次第、更新して参りますので、また日を改めて「 京都奈良.jp 世界遺産 」にアクセスしてみてください。

【訪問地】 薬師寺  奈良県奈良市西ノ京町457
【拝観料】 大人800円、中高生500円、小学生200円(イベント期間除く)
【拝観時間】8:30am~17:00(受付16:30まで)
【駐車場】 最寄に民間の有料駐車場あり
【アクセス】
近鉄西ノ京駅より徒歩1分

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。