奈良県奈良市にある大仏で有名な「東大寺」をご紹介いたします。
東大寺は、聖武天皇が建立したお寺で廬舎那仏(るしゃなぶつ)を本尊とした華厳宗大本山の寺院です。(廬舎那仏というのは、奈良の大仏さんのことです)
創建当時の大仏には金メッキが施されていました。使用した金の重さはなんと400kg以上、水銀は2.5トンも使われました。
もくじ
世界遺産 東大寺の住所、拝観時間、拝観料、駐車場、アクセスなど
【訪問地】 東大寺 【所在地】奈良市雑司町406−1 【電話】0742-22-5511 【HPアドレス】 http://www.todaiji.or.jp/ 【拝観料】 大仏殿は大人・中高生600円、小学生300円 【拝観時間】 東大寺7:30~17:30(4~10月)、8:00~17:00(11~3月) 【駐車場】 近隣有料駐車場あり 【アクセス】近鉄奈良駅より徒歩15~20分 |
世界遺産 東大寺 アクセスマップ
東大寺大仏殿 桜
若草山からの眺望。
写真中央に見える大きな屋根の建物が東大寺大仏殿。写真左手に奈良県庁も見えますが、大仏殿の大きさに驚かされますね。しかも木造軸組建築として現在でも世界最大となっています。
東大寺大仏殿奥に見えるのは、興福寺の五重塔(国宝)で右端は奈良県庁。
桜の季節は、しだれ桜やソメイヨシノ等が4月中旬頃まで楽しめます。
東大寺周辺で桜を楽しみたい方は、裏手に回られると良いかもしれません。
講堂の礎石が残る東大寺北側や二月堂に向かう参道にも桜が楽しめます。人も少なめなのでオススメの散策路ですよ♪
東大寺大仏殿は「南都焼き討ち」も含めて過去2度も焼失しています。高さ15mにもなる大仏も火災の影響を受けました。 現在の建物は江戸時代に再建されたもので、多くの人からの寄付によって修復されました。
南都焼き討ち
平清盛は、後白河天皇の信頼を得て、武士としては初めて太政大臣に任命されます。太政大臣というのは、政治をとる上での最高職。すごい出世ですよね。
それから平氏の勢力は勢いを増して、清盛の独裁的な面が表出してしまいます。なんと太政大臣に任命してくれた後白河天皇とも対立してしまいます。
サラリーマンであれば「まずい」状況ですね。。。(苦笑)
平清盛は大和国を保有する際、南都寺院が保持していた特権を無視して、大和全域を統治していきます。こうなってしまうと後白河天皇はじめ南都寺院側が強く反発するのは当然で、反平氏の動きが活発化、清盛と対立を深めていくことになります。
清盛は、反勢力を黙らせるために平氏にとっての一部悪徒(寺院側)の追い討ちを試みますが、南都勢力(興福寺など)が徹底抗戦の構えを見せました。
状況は悪化、お互いにらみ合いが続き、ついに決戦となりました。
反平氏勢力を一掃するために南都の僧兵7千余人に対し、平家軍は4万余騎を奈良坂・般若寺(はんにゃじ)に集結させました。
陽も暮れ始め、戦況も優勢となった平家軍は、明るさを確保するため強い風が吹く中、民家に火を放ちます。この火勢が、東大寺、興福寺の大半を焼失し大惨事となった「南都焼き討ち」です。
東大寺・興福寺の焼失は、平軍も予想していなかったと言われています。
確かに時の権力者が一時の感情で、市民の心の支えにもなっていた東大寺(聖武天皇が建立)や興福寺(藤原氏の氏寺)を焼いてしまうのは短絡的としか言えないですね。
ただ歴代天皇の崇敬を受けてきた東大寺と、藤原氏の氏寺であった興福寺は政治的にも経済的にも大きくなり、興福寺は「僧兵」と呼ばれる軍事力を持つまでになっていました。
繁栄を極めた東大寺と興福寺の勢力は、平清盛にとっては”目の上のたんこぶ”でしかなく、なんとかして言う事を聞かせたかったに違いありません。
平氏は過去に園城寺を焼き払い近江の平定に成功していることから「東大寺・興福寺の焼失は予想していなかった」という説は説得力に欠けるような気もしますが、はたしてどうだったのでしょうか。。。
しかも昔は、強風であれば容易に一、二町燃え広がることも認識されていたはずで、「南都焼き討ち」の日は空気が乾燥している12月。強風が吹いていたとありますので、燃え広がることは予想できたはずですよね。
この時の火事で、東大寺は大仏殿、講堂、伽藍の大半、興福寺は金堂、講堂、南円堂などが焼失してしまいました。
「般若寺」の隣を走る道路「木津横田線」からは東大寺が見えます。あわよくば東大寺にも燃え広がることを期待、もしくは火の拡がりに合わせて部下に命令していたことも考えられます。
何はともあれ、いまもこれだけのお寺が現存することに感謝、感謝です。。。
東大寺二月堂
趣きある石階段。ここは撮影ポイントにもなっています。奥に見えるのが、東大寺二月堂です。
東大寺二月堂( 国宝 )。
3月1日~14日までの間に修二会( お水取り )が行われることで有名ですが、「二月堂」というのは旧暦2月に「 修二会 」が行われることからこの名前がついています。
寛文7年(1667年)、お水取りの最中に失火してしまったこともあるそうで、現在の建物は1669年に再建された建物で国宝に指定されています。
本尊は、十一面観音像の大観音(おおがんのん)、小観音(こがんのん)の2体で、どちらも何人も見ることが許されない絶対秘仏となっています。修二会(お水取)の法要を務める練行衆さえも見ることは許されていないそうです。
修二会が執行されている14日間のうち、前半の7日間は 大観音 が本尊で、後半の7日間は 小観音 が本尊となります。
「なぜ本尊が2体あるのか」
「なぜ修二会の前半と後半で本尊が入れ替わるのか」
は明らかになっておらず、密教や神道の要素も取り入れた部分もあり謎の多い行事とも言われています。
東大寺二月堂からの眺め。
青空に桜の花が見事です。
東大寺 大仏殿と金剛力士像(仁王像)
毎年8月13日、14日に東大寺大仏殿の夜間参拝、15日は「万灯供養会(まんとうくようえ)」が行われます。
この日は大仏殿の正面上部の観想窓(かんそうまど)が解放され、元旦とお盆の夜の年2回建物の外から大仏のお顔を拝顔することができます。
写真中央を見ていただくと、大仏のお顔が観想窓から覗いています。
仁王像はわずか69日間でつくられた
東大寺に向かう参道の途中にある「東大寺南大門」は、国宝に指定されている国内最大規模の山門があります。
その門の左右には鎌倉時代を代表する仏師の運慶が指揮をとりながら、快慶と共に完成させた見事な「金剛力士像(仁王像)」が設置されています。
これらが全て木で作られているのにも驚かされますが、彫刻から彩色までわずか69日間で完成させたといいますから、当時の慶派一門の勢いが感じられます。
前述した通り、仏師として活躍をした運慶が中心となって全体の進行を行っていたのですが、ほぼ完成した「吽形」像の修正を命じます。
下から見上げることを計算し、すでに彫られていた臍(へそ)の位置を下にずらし、顔や瞼(まぶた)も下を見るように指示を出しています。彫られた表情、筋骨など隙のない造形美、迫力にも注目してみてください。
お寺の門には仁王像が立っているのを良くみかけると思いますが、これは寺院内に仏敵が入り込まないよう防御する守護神となります。
上の「金剛力士像(仁王像)」は、左側に設置されている怒りを内に秘めた表情をしている「阿形(国宝)」像。
上写真は、奈良公園で開催されている夏のイベント「なら燈花会」のひとコマ。竹のオブジェに灯りがかわいいですね。
東大寺と奈良公園 紅葉
秋色に染まる11月はモミジが赤、黄色と東大寺周辺を美しく彩ります。
東大寺南大門から歩いて5分くらいに浮見堂と鷺池(さぎいけ)があります。
11月は浮見堂周辺(写真上)に、赤、オレンジ、黄色に染まる見事な紅葉が楽しめます。貸しボートでのんびり揺られるのも、おすすめですよ♪
素敵な道の多い奈良公園の散策路。
ここは奈良奥山ドライブウェイ(有料道路)から見ることのできる絶景ポイント。「奈良奥山ドライブウェイ」に関する詳細はこちらをご覧ください。
東大寺周辺は観光スポット、イベントも多いので
訪れる際はのんびりと。。。
御朱印をいただける場所
東大寺で御朱印をいただける場所は、下記の通りです。
【場所】 大仏殿の御朱印・・・柱の穴くぐり付近の納経所 神仏霊場巡拝の道の御朱印・・・金堂(大仏殿)奥の納経所 二月堂の御朱印・・・二月堂の南側にある納経所 三月堂の御朱印・・・拝観受付。御朱印をいただく場合は、拝観料も必要。 四月堂の御朱印・・・堂内入ってすぐ右手 戒壇堂の御朱印・・・拝観受付。御朱印をいただく場合は、拝観料も必要。 鐘楼の御朱印・・・鐘楼の近く。建物はありません。 俊乗堂・念佛堂・行基堂の御朱印・・・鐘楼近くの御朱印授与所 不動堂の御朱印・・・不動堂の向かって左手 【時間】東大寺7:30~17:30(4~10月)、8:00~17:00(11~3月) 【初穂料】300円 【御朱印帳】1,300円~2,000円 |
■東大寺の周辺 「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」「奈良公園」「若草山」「ならまち糞虫館」など |
■奈良の世界遺産 「東大寺」「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」「平城宮跡」「薬師寺」「唐招提寺」「法隆寺」「法起寺」「吉野・大峰」 ※順不同 |
■京都の世界遺産 「上賀茂神社」「下鴨神社」「金閣寺」「龍安寺」「仁和寺」「銀閣寺」「延暦寺」「高山寺」「東寺」「西本願寺」「二条城」「清水寺」「西芳寺」「天龍寺」「醍醐寺」「平等院鳳凰堂」「宇治上神社」 ※順不同 |
【訪問地】 東大寺
【所在地】奈良市雑司町406−1
【電話】0742-22-5511
【HPアドレス】 http://www.todaiji.or.jp/
【拝観料】 大仏殿は大人・中高生600円、小学生300円
【拝観時間】 東大寺7:30~17:30(4~10月)、8:00~17:00(11~3月)
【駐車場】 近隣有料駐車場あり
【アクセス】近鉄奈良駅より徒歩15~20分
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