標高498m、約250haという広さが保全されている春日山原始林が霧に包まれました。
きょうは近鉄・奈良駅から徒歩圏内にある「春日山原始林」をご紹介いたします。
市街地のある地域に原生林があることは世界的にも珍しく、学術的にも価値があるため1955年2月に国の特別天然記念物にも指定された地域で、ユネスコの世界文化遺産「古都奈良の文化財」の一要素として1998年12月に登録されています。
※原生林(げんせいりん)・・・伐採や災害で破壊されたことがなく、ほとんど人の手が入っていない自然のままの森林を言います。
もくじ
世界遺産 春日山原始林の住所、拝観時間、拝観料、駐車場、アクセスなど
【訪問地】春日山原始林 【所在地】奈良県奈良市 【拝観料】 無料 【時間】若草山三重目は日没~24:00までフットライト点灯 【アクセス】 奈良交通バスで「春日大社表参道」下車、徒歩。 または近鉄奈良駅、JR奈良駅より徒歩 |
世界遺産 春日山原始林 アクセスマップ
春日山原始林 1月-2月 世界文化遺産
春日山原始林は春日大社の山として神聖視され、841年から樹木の伐採が禁止されてきました。そのおかげもあり、緑豊かな自然に溢れています。
春日山原始林の遊歩道は全長9.4km。毎日の散歩やランニングコースとしても人気があります。
趣きのある石階段。近くには鶯(うぐいす)の滝があります。
シダ植物も多く生息しています。
春日山原始林 4月-5月 世界文化遺産
4月も終わりに近づくと美しい芽吹きが山々を彩ります。
植物の集合体は、時間と共に ” 種の構成 ” が変わっていくものと考えられています。背の高い樹木が形成され、地に当たる日なた、日陰にも変化が生まれ、構造の複雑なものになっていきます。
そしてある程度変化が安定してきた状態を極相(きょくそう)といい、長期にわたって極相林が維持された環境を”原始林”と言います。
春日山はこの極相状態にあり「春日山原始林」と呼ばれています。
横たわる大木に生息する苔。
保水力の高い苔は、倒木を湿らせ微生物による分解を早める働きがあります。上の倒木はすでに50~100年以上(もっとかな。。。)は経過していますので、分解を早めると言っても、大木が完全に土に帰るには相当長い年月が必要となります。
春日山原始林 7月-8月 世界文化遺産
雨で水量の増した鶯(うぐいす)の滝。
水量がそれほど多くはないので、豪快な滝を見たい方は梅雨の時期にいかれると良いかもしれません。石階段は滑りやすくなっていますので、注意してくださいね。
若草山三重目からの展望。
奈良市街、 東大寺・大仏殿、生駒山等が一望できます。若草山三重目には、新若草ドライブウェイ(有料)を使えばアクセスもカンタン。
山頂駐車場から歩いて3分ほどで、展望所まで行くことができます。トイレや自動販売機も完備され、遊歩道は日没から24:00までフットライトが点灯しています。奈良市街の見事な夜景を楽しむことができますので、ぜひお立ち寄りください。
5月~6月は出産シーズン。この時期(5~7月)は、カワイイ子鹿に出会えますよ♪
春日山原始林には、シカ以外にサル、リス、ウサギ、ネズミ、タヌキ、キツネ、テン、イタチ、イノシシ、ヘビ等が生息しています。じっくり観察をすればいろいろな野生動物に会えるかもしれません。
また動物のフンには、瑠璃色に輝くフンコロガシが集まってフンを分解してくれています。ぜひ探してみてくださいね!
26年勤めた金融機関を早期退職した中村さんがオープンしたフンコロガシ専門の「ならまち糞虫館」もありますので、ぜひお立ち寄りください。
春日山原始林 9月 世界文化遺産
2018年の台風は各地に大きな爪痕を残しました。ここ春日山原始林も多くの木が倒れてしまいました。渦巻き状の強い風が滞留したのでしょうか。たくさんの木がなぎ倒されています。
大木に絡みつく蔓系植物の幹も太く力強いものでした。
春日山原始林 首切り地蔵
滝坂の道の途中には、首切地蔵があります。ここには屋根付きの休憩所、トイレも完備されていますので、一休みするにもオススメです。
夏の時期は山ヒルもいますので、注意してくださいね。
首切地蔵は、荒木又右衛門(あらき またうえもん)という剣豪が地蔵に試し斬りしたと伝わるお地蔵さんです。
昔は剣の切れ味を確認するために、浪人や死体を使って試し斬りをしたと言いますから、こういった硬い石で試し斬りをすることもあったのかもしれないですね。
春日山原始林 朝日観音
同じく滝坂の道の能登川沿いにある「朝日観音」。
中央の大きな岩の中央に弥勒菩薩(みろくぼさつ)、左右に地蔵菩薩(じぞうぼさつ)が彫られています。陽の昇る東を向いており、朝日によく映えることから「朝日観音」と呼ばれています。
春日山原始林 寝仏
上の写真は南北朝時代に作られたとされる寝仏です。
岩の向こう側が遊歩道となっていますので、歩いていると見つけにくいかもしれません。
岩に彫られた「寝仏」ですが、 岩の中央上側(上写真)に人の頭のようなものがあり、たしかに横たわっているように見えるのですが・・・。
↑ 写真を右90°に回転させたもの。
実際は、光の当たっている箇所が大日如来の頭部となっています。顔の下に印を結ぶ両手が彫られています。
運が良ければ、霧が街を覆い、幻想的な美しい景色に出会えます。
世界遺産・春日山原始林の情報は同ページに追加していきますので、ときどき覗いてみてくださいね。
■春日山原始林の周辺 「春日大社」「奈良公園」「東大寺」「興福寺」「元興寺」「新薬師寺」「若草山」「ならまち糞虫館」 など |
■奈良の世界遺産 「東大寺」「興福寺」「春日大社」「春日山原始林」「元興寺」「平城宮跡」「薬師寺」「唐招提寺」「法隆寺」「法起寺」「吉野・大峰」 ※順不同 |
■京都の世界遺産 「上賀茂神社」「下鴨神社」「金閣寺」「龍安寺」「仁和寺」「銀閣寺」「延暦寺」「高山寺」「東寺」「西本願寺」「二条城」「清水寺」「西芳寺」「天龍寺」「醍醐寺」「平等院鳳凰堂」「宇治上神社」 ※順不同 |
【訪問地】春日山原始林
【所在地】奈良県奈良市
【拝観料】 無料
【時間】若草山三重目は日没~24:00までフットライト点灯
【アクセス】 奈良交通バスで「春日大社表参道」下車、徒歩。
または近鉄奈良駅、JR奈良駅より徒歩
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